◆【2005年・20本カルテット形成】
チーム成績6位/チーム打率2位
<打率.275/146試合/1374安打/184本塁打/586点/盗塁51>

 山本浩二監督最終年となった2005年。最終的に借金26で1993年以来12年ぶりの最下位に沈んだものの、打線自体は活発だった。主要メンバーの成績を見ても、それは明らかだ。

 前年首位打者に輝いた嶋重宣が、打率.288で27本塁打。以下、前田智徳(打率.319/32本塁打)、緒方孝市(打率.306/21本塁打)、ラロッカ(打率.303/18本塁打)、新井貴浩(打率.305/43本塁打)が本塁打王に輝くなど、チーム打率は.275を記録。ところがチーム防御率が4.80と投手陣の不調が響き、強力打線が奮闘したものの、長らく続く低迷期を脱することはできなかった。

◆【2016年・“タナキクマルトリオ”の躍動】
チーム成績1位/チーム打率1位
<打率.272/143試合/1338安打/153本塁打/649点/盗塁118>

 前年はチーム打率が5位(.246)と低迷し、3年連続のクライマックス・シリーズ進出を逃していた当時のカープ。2015年シーズンオフには打撃面の改革に着手し、一軍内野守備・走塁コーチを担当していた石井琢朗を一軍打撃コーチに抜擢。東出輝裕、迎祐一郎と共に、球団初の打撃コーチ3人体制を導入した。その効果は開幕直後から現れ、“つなぎの打撃”でシーズン序盤から打線は活発さを続けて上位争いに加わった。

 上位打線は“タナキクマル”トリオで固定し、シーズン途中からは当時39歳の新井貴浩が勝負強い打撃で101打点を記録。さらに神ってる一発を連発したプロ4年目の鈴木誠也が打率.335、29本塁打、95打点と大ブレイク。若手とベテランが絶妙に融合した打線を形成した。結果、交流戦の勝ち越し、リーグでは全球団に勝ち越すなど、圧倒的な打撃力を武器にシーズンを一気に駆け抜け、25年ぶりのVを達成した。