投打のバランスが噛み合わず、カープが開幕戦以来となる借金1を計上した。引き分けを挟んでの2連敗で、2カードぶりの負け越し。トータルで見れば、打撃陣の不調がやや目立つ形となっている。

4月22日現在でチームトップとなる3盗塁を決めている鈴木誠也選手。なおチームとしてのシーズン最多は1985年の178盗塁。だが山根和夫、小林誠二、津田恒実らの故障で、前年に続くリーグ優勝、日本一は達成できなかった。

 打つ方はもちろんのこと、今季初盗塁を決めたのは開幕から10試合目のヤクルト戦(4月6日)。かつては機動力を絡めた野球がカープ野球というイメージが強かったが、ここ2年は『走るカープ』を体現できないでいる。今季も4月22日現在で、カープの盗塁数は11。リーグ内では5位という成績だ。

 カープがAクラス入りした過去の成績を見ると、改めて機動力野球で勝ってきたチームであることが分かる。25度Aクラス入りした中で、チーム盗塁数が1位のシーズンは13度。1978年、1981年、1990年を除くシーズンは、全て2位以上の盗塁数を記録している。

 また連続Bクラスが始まった1998年以降、カープから盗塁王を出したシーズンは1度のみ(2010年、梵英心の43個)。カープのAクラス入りとチーム盗塁数が大きく関係していることが分かるデータだ。

 機動力野球は盗塁だけを意味するものではなく、盗塁数が勝敗に直結するものでもない。あくまでカープ攻撃のひとつの武器として使うに過ぎない。ただ、その武器の威力が増せば増すほど、相手にとって脅威になることは間違いない。