5月11日、大瀬良大地がウエスタン・リーグの中日戦(由宇練習場)で実戦復帰を果たした。大瀬良は4月15日の練習中に異常を訴え、先発予定だった翌日の中日戦を回避。広島市内の病院で検査を受け、右腓腹筋挫傷と診断されていた。

春季キャンプでも術後明けとは思えない投球を披露していた大瀬良大地投手。

 開幕から3戦2勝、防御率0.89と右肘の手術明けとは思えないような投球を続けていたが、この故障により出場選手登録を抹消。そこからチーム状態も次第に下降線を描くようになっていた。

「今年は30歳になりますし、20代の頃と比べて体の変化も感じていたので、このオフは筋肉量を維持しながら体重を5キロ近く落としました。またこれまでは、筋力をつけて、力で強く速い球を投げようと取り組んできましたが、昨年の手術をきっかけに、柔軟性を生かし体をうまく使うことで、そういった球を投げられるようにと考えるようになりました」

 開幕前のコメントからも読み取れるように、リハビリの段階から最大限の注意を払いながら体のケアを進めてきた。それだけに負傷直後は、少なからずショックもあったはずだ。それでも大瀬良は術後のときと同じように、はやる気持ちを抑えながら地道に調整を進めてきた。

 そして迎えた復帰登板では5回で75球を投じ、内容は6安打3失点。だが今回は結果云々よりも体の状態の確認が最優先だけに、上々の復帰登板だったと言えるだろう。

 交流戦までに一つでも借金を返済したいチームにとって、エースの復帰は必須条件。昇格時期は未定ながら、早期の一軍登板に期待したいところだ。