◆福岡ソフトバンクホークス「通算成績18勝37敗4分の天敵」

 目下、日本シリーズ4連覇中。カープも2017~18年に日本シリーズで苦杯をなめた絶対王者・ソフトバンク。今季は圧倒的な選手層から優勝大本命と目されていたが、主力の故障離脱などもあって波に乗り切れない戦いが続いている。

 ただし、その中でもリーグトップのチーム打率.264を記録するなど、しっかりと上位争いを演じているのはさすがの一言だ。打線のキーマンは、やはり柳田悠岐になるだろう。言わずと知れた「球界最高打者」は今季も開幕から好調をキープ。確実性とパワーを兼ね備えた打撃は、カープ投手陣にとっては脅威になるはずだ。

 ただし、柳田とともに打線の軸を担ったグラシアルが5月9日の西武戦で負傷し、現在は登録抹消中。右手の骨折と靭帯の損傷で交流戦中の復帰は微妙な状況でもある。グラシアル不在なら柳田にマークを集中させることも可能になるだけに、打線のキーマンは徹底的に抑え込んでおきたい。

 投手陣はエース・千賀滉大の不在など、先発陣はやや手薄だが、モイネロ、森唯斗らが中心の救援陣は12球団屈指の安定感を誇るだけに「先手必勝」がベター。早いイニングで得点を奪い、自慢のリリーフに出番を与えず、優位に試合を進めたいところだ。

 しかし、ソフトバンクの本当の怖さは彼ら「個」ではなく、圧倒的な選手層と交流戦での絶対的な自信だ。過去15回行われた交流戦での優勝(最高勝率)8回、通算214勝はともに12球団ダントツ。故障者が出ても二軍から上がった選手がすぐにその穴を埋め、どんなチーム状況でも結果を残す。

 カープも対ソフトバンク戦の通算成績は18勝37敗4分と極端に苦手としており、過去15回の交流戦では一度も勝ち越したことがない。

 15年以上続く「苦手意識」を払しょくすることが、初の「対ソフトバンク戦勝ち越し」へ、最大のカギとなるはずだ。