今季も不動の4番として期待される鈴木誠也選手

リーグ3連覇中の2016〜2018年は、爆発的な打撃力で他チームを圧倒したカープ。しかし昨季は4番・鈴木誠也の前後を打つ打者の好不調で、チーム成績は乱高下を繰り返した。結果、勝ち星は伸び悩み、70勝70敗3分の成績で4位に沈んでしまった。シーズンを通じての総得点は、リーグ3連覇を果たした18年から130点も減少。当然、チーム打率も連覇中から大きく後退。低迷の要因が得点力の低下にあるのは言うまでもない。

昨季の特徴として挙げられるのが、極端な大型連勝と大型連敗が繰り返されたことだろう。そして、その中から浮き彫りとなったのがクリーンアップの重要性だ。事実、西川龍馬を1番に固定してからは、出塁率の改善も見られた。それでも波に乗り切れなかったのは、塁上の走者を本塁に迎え入れることができなかったからに他ならない。

球団史上最多の月間20勝を挙げた5月は、3番〜5番全員が月間MVP候補としてリストアップされた。この事実一つをとってみても、チームの勝利と主軸の成績は切っても切れない関係にある。

では、今季のカープ打線はどうなのか。昨季、首位打者、最高出塁率の二冠に輝いた鈴木誠也は、春季キャンプの段階から桁違いのバッティングを見せている。オープン戦でややペースダウンした感もあったが、西武とのオープン戦では2試合連続本塁打を放つなど、開幕を前に着実に調子を上げてきた。

問題の鈴木を前後を打つ打者については、オープン戦を重ねるにつれて徐々に形が見えてきた。キャンプから筆頭候補として名が挙がる西川龍馬は、実戦がスタートした2月下旬から結果を残し続ける。オープン戦序盤は3試合連続で5番出場が続いたが、ここ5試合は3番スタメンが定着。好調な打撃をキープするだけに、開幕3番スタメンはほぼ当確だろう。

そしてクリーンアップにおける明るい材料が、当初から“5番の最右翼”と目されていた松山竜平の復調だろう。春季キャンプを腰痛で離脱したものの、3月6日から一軍に合流。西武とのオープン戦では“定位置”の5番に座り、3試合連続安打をマーク。キャンプでの出遅れを取り戻す打撃を披露し、他の打者との格の違いを見せつけた。オープン戦開始時は不透明だった“鈴木の前後を打つ打者”も、現時点ではこの2選手が3番、5番を任される可能性が高くなった。

目標は高く!「200本安打」と色紙に書いた西川龍馬選手

投手陣の整備もさることながら、V奪還への鍵となるのが攻撃陣の再編であることは明白だ。その中心であるクリーンアップの固定は、一番の近道であることは間違いない。高い打撃力を持つ西川龍馬と松山竜平がフルシーズン鈴木の前後を固められれば、3連覇中のような破壊力ある打線も期待できるだろう。