カープがコロナ禍の影響をまともに受けている。一軍と二軍で総勢17選手の入れ替えを実施し、ウエスタン・リーグは5月18日〜20日までの公式戦を中止に。チーム編成が困難な状況のため、対戦予定だったソフトバンクとの一戦は練習試合として行われている。

5月8日のオリックス戦から安打を量産している韮澤雄也選手。

 そんななか初の一軍昇格を目指すプロ2年目の韮澤雄也が、尻上がりに状態を上げている。フェニックス・リーグや教育リーグでコンスタントに安打を量産していた韮澤は、ウエスタン・リーグでも5月に入り猛打賞2回と大当たり。5月19日現在で、規定打席未到達とはいえ打率を3割台に乗せてきた(62打数19安打)。

 名門・花咲徳栄高出身の韮澤は、3年連続で夏の甲子園を経験。直後のU-18ワールドカップでは、日本代表の3番として29打数10安打という好成績を残している。

 ルーキーイヤー前半は体ができていないこともありプロの壁に跳ね返されたが、日々の地道な反復練習やウエートトレーニングで終盤戦は堂々と相手投手と渡り合った。結果、二軍では林晃汰に次いでチーム2位の68試合に出場。攻守両面で成長を感じさせた。

 飛躍の2年目に向けて、オフには自ら志願する形で菊池涼介に弟子入りし、静岡で合同自主トレを敢行。守備はもちろんのこと、打撃面でも打球を遠くに飛ばす体の使い方を貪欲に吸収した。

「昨年までは、三振したくない、ヒットがほしいと結果をほしがって、当てにいくだけの打撃になり、練習したことを試合で出せていませんでした。いまは目の前の結果を求めすぎず、長打が出る打ち方を意識して、練習に取り組んでいます」

 昨季は林晃汰、羽月隆太郎、大盛穂がプロ2年目で一軍デビューを果たした。今年2年目で伸び代しかない韮澤も、ライバルひしめく内野枠で今後も猛アピールを続けていく。