コロナ禍に覆われる状況のなか、カープが2戦遅れで交流戦に突入する。現在、チームは陽性判定者、濃厚接触者が出たことで大幅な選手の入れ替えを強いられている。まさに総力戦の様相を呈すなか、ここでは大盛穂、藤井黎來、コルニエル以前に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手を振り返ってみたい。

二軍戦で31試合に出場し、打率.284、本塁打1、打点13の成績(5月26日現在)を残している、2019年育成ドラフト2位の木下元秀選手。

◆中谷翼 2005年・第二次育成ドラフト1巡目/2007年・支配下登録
<同年の主なドラフト指名選手/鈴木将光、今井啓介、齊藤悠葵、梵英心>

 仙台育英高では1年夏から3季連続で甲子園に出場。進学した立命館大を中退し一時は野球浪人となったが、四国アイランドリーグにおいて打撃3部門で全てリーグ2位の好成績を残した。2005年度のドラフト会議から育成選手制度の導入が決定したことを受け、球団史上初の育成選手としてカープから指名を受けた。

 俊足巧打が魅力の内野手として二軍で鍛錬を積み、2007年には支配下登録を勝ち取った。同年、球団初の育成出身選手として一軍出場も果たした。その後2年間は一軍出場がなかったが、2010年に久々に一軍昇格を果たすとスタメンも経験。カープの育成出身選手として初の一軍初安打、初打点も記録した。しかし同年故障により戦力外を受けたが、再び育成契約。2013年までカープでプレーを続けた。