カープ時代の小窪哲也選手(2015年撮影)

 カープ一筋13年。元広島東洋カープの小窪哲也が、プロ野球独立リーグの球団「火の国サラマンダーズ」(熊本)に加入することが決まった。

 シーズン途中での移籍。今回の電撃加入について、球団代表を務める神田康範氏(代表取締役社長)に話を聞いた。

ーー小窪選手にオファーされたきっかけを教えてください。

「先月、小窪選手の近況を紹介する記事がネットにアップされたのですが、それを見てすぐに関係者を通じて小窪選手に連絡をとりました。そこで、球団として、小窪選手がもう一度NPBに戻れるように協力するので、熊本で一緒にがんばりませんかと話をさせていただきました」

ーー小窪選手の反応はいかがでしたか?

「カープを退団してからも日々練習に取り組んでいて、しっかり動ける体にはなっているとのことでした。ただ、試合でプレーできていないので、実戦感覚の面を不安に感じていて、その機会をいただけるのはありがたいですと話してくれました。家族のことを含めて、迷いはあったと思うのですが、試合ができるという部分でメリットを感じてもらえたと思います」

ーーカープ時代の小窪選手のプレーでどんなことが印象に残っていますか?

「やはり打席での粘り強さですね。右打ちも芸術的でした。細川監督は、小窪選手に会って開口一番、『うちの選手に右打ちを教えてやってほしい』と伝えていました」

ーー小窪選手に期待したいことはどんなことでしょうか?

「チームには本気でNPBを目指している若い選手がたくさんいるので、その選手たちに、野球人としての生き様を見せてもらいたいです。また、カープでは選手会長を務めるなど、キャプテンシーも素晴らしい選手なので、チームに新しい変化をもたらしてくれることにも期待しています。元プロ野球選手ですが、お客さんのようにはなってほしくありません。合流初日から、若手選手と泥臭く野球に取り組んでもらい、NPBの舞台に戻れるようがんばってもらいたいですね」

 小窪はカープ通算13年間で705試合に出場。打率.259、385安打、18本塁打、153打点の成績を残した。昨年11月にカープを退団以降、練習を続けながら他球団からのオファーを待っていた。「火の国サラマンダーズ」は、2020年に設立した熊本県内初となる独立リーグのプロ野球チーム。監督は西武ライオンズなどで活躍した細川亨が務めている。

〈小窪哲也選手プロフィール〉
ポジション:三塁手、二塁手、遊撃手
身長:175
体重:83
生年月日:1985年4月12日
年齢:36
出身地:奈良県
投打:右右
経歴:PL学園高~青山学院大~広島東洋カープ