6月5日、元広島の小窪哲也が、熊本市内でプロ野球独立リーグの球団「火の国サラマンダーズ」の入団会見に臨んだ。カープ一筋13年の小窪は、熊本からNPB復帰を目指すこととなる。

 ここでは、本誌が行った独占インタビューをもとに、小窪のカープ時代の声を抜粋してお届けする。編集部がまずセレクトしたのは小窪のプロ9年目。選手会長に就任した2016年のシーズン前に行ったインタビューから、小窪のリーダー論を紹介していく。
(広島アスリートマガジン2016年4月号で行ったインタビューをもとに編集)

カープ時代の小窪哲也選手(2016年撮影)

◆意見が飛び交うチームにしたい

ーー選手会長に就任が決まったときはどんな思いでしたか?

「最初は不安しかありませんでした(苦笑)。高校、大学とキャプテンの経験はありますが、学生時代とは全く違います。プロ野球選手はみんな個人事業主ですからね。でも、みんな根本は勝ちたいと思っていますし、昨季も悔しい思いをしたのは同じです。ここ数年間勝負どころで勝てていませんし、チームの勝利を第一優先に考えていきたいと思いました」

ーー選手会長として働きかけたいことはありますか?

「もともと個人の思いを何でも言い合えるようなチームにしたいと思っていましたし、『こうしたら良いのに』という声が個々から出ていました。これまでは野手陣から見た投手陣への意見、逆に投手陣から見た野手陣への意見などコミュニケーションが取れていないことがあったと思います。それが言いあえるチームづくりをしていきたいですね。それは僕ひとりではできないので、野手では僕が代表して、投手陣からは投手キャプテンの福井(優也)に協力してもらい、まずは話し合いをしたいと思って、日南キャンプ前日に福井と話をしました」

ーー福井投手とはどんな話をしたのですか?

「福井には『投手陣を守ってほしい。もし野手陣から投手に意見があって、何かあったときはお前がフォローをしてくれ』とお願いをしました。それがシーズンに入っていって、どのように良い方向にいくかはまだ分からないですが、チームづくり、準備の段階で一致団結したチームにしていきたいと思っています」