6月14日の西武戦(マツダスタジアム)で今季初の一軍マウンドに上がる薮田和樹。チームは9連戦を戦っている真っ最中だけに、先発を任される薮田にかかる期待は大きい。

 薮田の活躍で思い出されるのは、リーグ連覇を決めた2017年。この年、シーズン途中から先発ローテに定着するとチームトップの15勝を挙げ、自身初のタイトルとなる最高勝率を獲得した。

 大車輪の活躍をみせた2017年を経て、薮田がどんな先発投手像を胸に鍛錬を続けてきたのか。ここでは、2018年3月に本誌で行った独占インタビューをもとに薮田の先発への思いをお届けする。

6月14日の西武戦で今季初先発を任された薮田和樹投手。2017年のような活躍に期待がかかる。

── 薮田投手にとって、プロ3年目の2017年のシーズンは特別な年になったと思います。ブレイクを果たした昨季を振り返るとどんな1年でしたか?

「チームとして連覇を達成することができたのは、すごく良かったと思います。また、自分自身一軍に1年間帯同することで、初めて経験することがたくさんありました。収穫もたくさんありましたが、それ以上にたくさんの課題も見つかったシーズンでした」

── ご自身が感じられた課題とは具体的にどんなことですか?

「ここ一番の勝負強さはまだまだ足りないと痛感しました。クライマックス・シリーズでの投球(10月23日 対DeNA戦5回途中4失点で降板)はシーズンの中で一番納得がいかない投球でしたね……。とにかくあの日はストライクがとれる球が少なかった印象です。ボールが先行する投球をしてしまうと、必然的に苦しい展開になってしまうということについて改めて痛感しました」

── シーズンを通して苦しまれた部分はどんな部分でしたか?

「自分の武器は直球だと認識していますが、シーズン終盤の試合ではあまり球速が伸びない試合がありましたし、正直体が思うように動かない時期もありました。目に見えないプレッシャーを感じる部分もありました」

── 2017年はチームトップの15勝を挙げただけに、2018年は、例年と変わったスタートになったのではないでしょうか?

「自分自身特別に意識して変えた部分はありませんが、他球団からのマークや、周囲からの期待度は違ってくると思います。それだけに、自分の投球に対する責任を例年以上に感じる部分はあります」