カープがさらなる躍進を遂げるには、若い世代の活躍が欠かせない。育成ドラフトから這い上がってきた俊足巧打の若鯉・大盛穂に、カープでの野球人生にかける熱き思いを聞いた。

競争が激しい一軍の外野手争いを勝ち抜くため、走攻守全ての面でレベルアップを目指す大盛穂選手。

◆打たないと使ってもらえない。二軍降格で見直した打撃の原点

─カープで絶対に負けたくないライバルを教えてください。

「まずはやはり、同期で同じポジションの正隨(優弥)ですね。あと、同じ外野でいくと宇草(孔基)、そして新たに外野に挑戦している羽月(隆太郎)。そのあたりは年齢も近いですし、負けたくないですね」

─同期入団で同学年でもある正隨選手は、良き友であり、良きライバルであるということですね。

「そうですね。1年目からお互い悪いところを指摘し合ったり、良いところを言い合える本当に良いライバルなので、これからも、そういう部分は変わらず大事にしていきたいと思っています」

─今季の大盛選手の成績を振り返ると、開幕一軍入りし、3月27日の試合でスタメン出場を果たしますが3打席連続三振。翌日の試合で今季初安打を放つも、そこから出場機会に恵まれず4月下旬に二軍調整になりました。5月上旬に一軍に復帰されましたが、二軍ではどんな課題を持って練習に取り組んでこられたのでしょうか?

「一軍の外野手は打たないと出場機会を与えてもらえないので、特に打撃を重点的に鍛えてきました。バットの出し方や体の開き方など、昨年はできていたことが、今年は思うようにできていなかったので、もう一度基礎に戻り、徹底して取り組んできました。我慢して継続して、まずは試合で結果を残せるようにやってきたつもりです。やはり成長の跡を見せることができないと一軍には呼んでもらえないので、一軍の戦力になることを一番に考えて取り組んできました」

─今年、一軍には若い選手が増えています。そういったチーム状況から大盛選手自身が受けている影響はありますか?

「若い選手にチャンスを与えていただいているので、僕自身も結果を残せば使ってもらえると前向きに捉えています。ただ、ライバルに先を越されてしまっている状況に、悔しさを感じることが多いですね。特に羽月は内野手にも関わらず、今季から挑戦している外野手として一軍の試合に出ています。外野が本職の自分は何をしているんだろうという思いでいますし、別の選手にチャンスを与えてしまっているのは悔しさしかないですね。どうにかもう一度、外野のポジションを奪取できるように頑張ります」