若手と主力がうまく融合していくことが、今後の試合の鍵を握るカープ打撃陣。7月以降の戦いに向けて、ポイントになるのはどういった部分か。カープOBの笘篠賢治氏が独自の目線で分析する。

カープ打線を牽引する菊池涼介選手。

◆打線のキーマンを何番で起用すべきか

 林晃汰や小園海斗などの若手を積極的に起用するなど、オーダーにもバリエーションが出ています。ただ、菊池涼介の打順を1番から動かさないのが気になっています。

 6月の菊池の打席を見ていると、菊池涼介の打順を考えるタイミングが来ているのではないかと思いますね。3割を超える打率をキープしていましたが、新型コロナウイルス陽性判定を受けて離脱以降、調子が少し下降気味です。

 また打者には『数字の魔力』というのがあります。高打率をキープしたままだと自然と打席での集中力も高まりますが、例えば、打率が3割から2割台に落ちると、本人が意識していなくても集中力を保ちにくくなるものです。

 菊池の打撃が本来のものではないと首脳陣が感じるのであれば、もう一度、『2番』に戻すのも一つの方法だと思いますね。バントもエンドランもできて長打も狙える、何でもできる『つなぎの2番打者』を担えるのは、今のカープでは、菊池以外考えられません。

 野間峻祥が良い感覚で打てていますし、西川龍馬を1番で打たせてみるのも面白いのではないかと思います。CS圏内の3位・ヤクルトまで、まだまだゲーム差はありますが、戦力を有効的に活用すれば上位は十分狙えると思います。まずは一つ上の順位を目指しながら、カープらしい野球をみせてもらいたいですね。