プロ1年目となる2013年シーズン。当時から鈴木は大器の片鱗を見せていた。前田智徳がかつて身につけていた背番号51のユニホームに袖を通すと、春季キャンプ2日目に半日とはいえ早くも一軍の練習に帯同。インフルエンザを発症したフレッド・ルイスに変わる一日限定の参加だったとはいえ、野村謙二郎監督(当時)を筆頭に首脳陣から高い評価を受けた。

「一軍は緊張感が全く違うなと思いました。練習に参加させていただいて、また一軍で練習したいと強く思いました。(プロに入って3カ月を迎え)体力的な面は問題ありませんが、一軍の投手が投げる球は(高校生とは)全然違うなということを実感しています」

 ルーキーながら大きな期待をかけられた鈴木は教育リーグに続き、ウエスタン・リーグ開幕戦でも9番サードでスタメン出場を果たした。線は細かったものの、当時から野球センスは新人選手の中でも桁違いだった。

「何でもいいので『プロにいたんだ』という記録を残せる選手になりたいです。一番の大きな目標は野村(謙二郎・元)監督も達成された『トリプルスリー』です。また長い年数、プロとしてプレーしていきたいですね。僕と同じくプロに入ってから野手になった堂林(翔太)さんを目標にして、将来は一緒に三遊間を守りたいです」

 これはプロ入り3カ月後に鈴木が発したコメントだ。プロ7年間の活躍でポジションの違いこそあれ、誰もが“プロにいる”ことを認める選手へと成長した。

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