坂倉将吾、中村奨成など、若手捕手の台頭が目立つカープ。ここでは、OBの大野豊氏が、現役時代の話をもとに、バッテリー間で意識するべきポイントを解説する。
◆バッテリーの信頼度を深めて試合に挑めるか
カープの一軍捕手陣をみると、正捕手の會澤翼が離脱しており、一軍には、坂倉将吾、石原貴規、中村奨成、磯村嘉孝の4名が捕手として登録されています。磯村はプロ11年目ですが、坂倉、石原、中村奨の3人は、まだ20代前半と若いです。
野球界では、若い投手を育てるのは捕手の役割で、逆に捕手が若ければ実績のある投手が捕手を育てると言われることが多いです。
私は現役時代、リードは基本的に捕手に任せていたのですが、後輩の西山秀二とバッテリーを組む時は、いろいろな決め事をつくっていました。たとえば、「ここを触ったら、この球種を投げたい」のように、こちらが投げたいボールを伝えるサインだったり、2ストライクをとったあとは、インコースを要求することはやめてほしいなど、投手としての要望を西山には伝えていました。
また、投手有利のカウントの時は、高めの吊り球や低めのボールになる変化球、そういう配球で打者を打ち取る感覚を持ちサインを出してほしいなど、ベンチでも捕手とコミュニケーションを図っていました。
投手がいい結果を残すためには、バッテリー間で事前にしっかりとコミュニケーションを取り、信頼度をより深めて試合に挑むことが大切です。そして、投手は捕手のサインだけを信用するのではなく、投手自身も意図を持って投げる必要があると思いますし、サインに頷いた以上は気持ちを切り替えて投げないといけません。そのうえで、ベンチに戻って投手と捕手で意見交換をしてほしいと思います。
特にいまのカープには若い投手と捕手が多いので、結果をもとに振り返る作業を大切にしていってほしいと思います。