昨季限りでカープを退団したクリス・ジョンソンが現役引退を決断した。ジョンソンは2015年にカープに加入。2016年には沢村賞に輝くなど、在籍した6年間で57勝をあげ、リーグ3連覇にも大きく貢献した。数々の実績を残したジョンソンが紡いだ言葉を、独占インタビューをもとに振り返る。

 今回は来日2年目の2016年。初の開幕投手を務めるなど、シーズン序盤から先発投手陣の柱として結果を残し続けたジョンソンが、ペナントレース終了後に本誌に話した思いを振り返る。(『広島アスリートマガジン』2016年11月号掲載)

25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した2016年のジョンソン投手。

◆忘れ難い優勝の瞬間

―2016年を振り返ってみて、ご自身のなかで満足している点を教えてください。

「シーズンを通して、一番満足していることは、やっぱりシーズン優勝です。その中でも優勝を達成した瞬間は、忘れがたい思い出の一つです。グラウンド上でチームメートと喜びを分かちあうというのは非常に素晴らしい瞬間だと思いました。優勝ができたということはみんなが良い形でシーズンを勝ち進めていったということです。勝ちがどんどん増えていくというその過程も素晴らしかったと思いますし、それがチームメート全員で成し遂げたということことが自分でも実感できるシーズンでした。全体的に見てチームとしても、個人としても非常に満足のいくシーズンだったと思います」

―優勝が決まった瞬間はどのような気持ちになりましたか?

「全ての感情が出てしまいました。喜び、うれしさ、涙、本当に気持ちというすべての気持ちが出ていたと思います。もちろんこれは私だけではなく、全員がそういう気持ちだったと思います。本当に幸せな瞬間でした」

―優勝決定試合が終わった後に行われたビールかけはいかがでしたか?

「とにかくベタベタでいろいろな所がビール臭かったですが、そんなことはお構いなしにみんながびしょびしょになってはしゃいでいました(笑)。カツラを被ったり、水鉄砲を持参していたチームメートもいましたし、個々に楽しんでいるということがよく分かりました。あんなに大人数でビールをかけながら喜びを分かち合うということは滅多にないことですし、あのような場に入れてみんなと喜びを共有できたということは、本当に幸せでした」