◆心強かった好調攻撃陣

―来日1年目から結果を残されましたが、今季に臨むにあたり、投球について変えたことはありましたか?

「特にありません。今季も石原(慶幸)と1年間バッテリーを組ませてもらいましたが、彼が自分の持ち味を十分に引き出してくれたと思っています。もちろん今季は2年目なのでいろいろ相手チームも研究してきた部分はありました。そうした部分はチームや打者ごとにいろいろ勉強して、攻め方についてマイナーチェンジを行い対処しました。ただそれも大きく投球を変えたというわけではありませんし、あくまでもそこは自分と石原でゲームの流れを見ながら、試していくといった程度であり、少しの変化です」

―昨季は打線が不振な部分がありましたが、今季は対照的に非常に好調でした。ジョンソン投手から見て今季の打線についてはいかがでしたか?

「昨季と比べると攻撃陣は大きく数字を伸ばしてくれました。本塁打、盗塁などでリーグトップの成績を残しましたし、一番顕著に変わったのは逆転数です。投手が相手に先制を許しビハインドの状況になったとしても、そこから打線が逆転し勝ち星を手にするという試合を何試合も経験しました。それは攻撃陣全体がアグレッシブに戦っていった成果だと思いますし、今季の数字はそれらの現れだと思います」

―攻撃陣がここまで好調だと、投球にも良い影響を与えるのではないでしょうか?

「先発投手としてこれだけの強力な攻撃陣に支えられているという意識を持つことで、気持ちを楽にして投球に集中できる部分はありますし、結果的に投球内容自体にも良い結果をもたらしてくれました。逆に攻撃陣からすれば投手が抑えていれば勝てるという意識を持っていたはずですし、その点については非常に良い循環がチーム内に生まれていたと思います」

―今季は26試合に先発登板をされましたが、ご自身のすべての投球を振り返ってみて、印象に残っている登板はありますか?

「今季も本当にいろいろな試合を経験しただけに一つに絞るのは難しいですね。ただ、どうしても一つを選ぶのであれば、マジック点灯後に東京ドームで登板した8月23日の対巨人戦です。試合結果としては私が9回を投げて降板し、延長戦の末敗北してしまったのですが、特に記憶に残っています。あの試合は、自分のなかで一番気持ちが入っていた登板だと思います。9回まで投げて、勝敗が決まっていないという状況も珍しいですからね。そういう緊迫した試合で自分がマウンドに立ち続けることができたというのは、特に印象に残りました」

―新井貴浩選手が2000安打(4月26日対ヤクルト戦(神宮球場))と300号本塁打(8月2日対ヤクルト戦(神宮球場))を達成した試合、どちらもマウンドに上がっています。

「どちらの試合も神宮球場の半分が赤く染まっていて、本当にすごい雰囲気でした。選手たちはいつも素晴らしいプレーを見せていますがあの雰囲気にうまく乗り、実力を最大限に発揮できたと思います。新井選手が記録を達成した瞬間は、ファンの盛り上がりがすごかったです。新井選手は記録達成に安心したのか分かりませんが、その後もどんどん打ってくれていましたね。特に2000安打は、シーズン序盤に決めることができて良かったと思います」