打てる捕手として期待されている持丸泰輝。高卒1年目だった昨季は、二軍で27試合に出場。オフに行われた秋季教育リーグでは本塁打を放つなど、持ち味のバッティングセンスを示した。今季は、捕手としての成長もみられる。7月27日のオリックス戦(二軍)では、一軍経験豊富な野村祐輔とバッテリーを組み、6回1失点の投球に導くなど、先輩投手と数多く組むことで、捕手としての引き出しを増やしている。支配下登録に向け、攻守において成長を続ける2年目捕手の現状を聞いた。

打てる捕手を目指し二軍で鍛錬を続ける持丸泰輝選手。

◆捕手の引き出しが増えた野村祐輔からの助言

─バッティングにはどんな課題を持って取り組んでいますか?

「打球を前で捉えすぎていたため、外の球に手が出ず、低めの変化球に手を出してしまう悪循環が続いていました。なので打撃練習から意識を変えました。軸足に体重を残してセンターから逆方向を意識して打つ、また、インコース以外はライト方向に打たないと決めて練習に取り組んでいます」

─試合でも実践できている手応えを感じていますか?

「まだ右方向への打球が多いですが、逆に逆にという意識が強い分、ボール球に手を出さなくなりましたし、ファールで逃げれるケースも増えているので、少しずつ成長しているのかなと思います」

─7月27日の試合では野村祐輔投手とバッテリーを組み6回1失点。この試合で学んだことも多かったのではないですか?

「祐輔さんから『ベース板の上で勝負しすぎている。カウントや打者によっては、勝負する範囲を広げていいし、ボールからストライクになる球、ストライクからボールになる球をもっと使いながら配球を組み立てたほうがいいんじゃないか』と言っていただき、視野が狭まっていたと気付かされました。1パターンではなく複数の選択肢を持ってリードする必要性と楽しさを教えてもらいました」

─二軍には18年目の捕手・白濱裕太選手もいます。影響を受けていることを教えてください。

「白濱さんのキャッチングは1年目からずっと見て学んでいます。また最近は、白濱さんから影響を受けて、捕手視点での指示も強く意識しています。打球判断や守備の際の動きなど、守っている投手と野手に、短い言葉で的確な指示を伝えるのも捕手の役目。試合でミスは許されませんから、ベンチにいる時から瞬時に判断して声を出す練習をしています」

◆プロフィール
持丸泰輝 123
■もちまる・たいき ■2001年10月26日生(19歳)■177cm/84kg    
■右投左打/捕手 ■北海道出身 ■旭川大高-広島(2019年育成ドラフト1位)
旭川大高では強肩強打を買われ、1年春からベンチ入り。持ち前のシェアな打撃でアピールを続け、會澤翼のような“打てる捕手”を目指す。