カープの未来を担う若手選手の声をお届けする秘蔵インタビュー。今回は、高卒1年目ながら4月3日のウエスタン・リーグでデビューを飾った小林樹斗。6月2日の中日戦(二軍)では先発し、4回を無失点に抑えるなど成長を続けている。2021年の春季キャンプ中に行った独占インタビューから、超高校級ルーキー右腕・小林の言葉をお届けする。
(広島アスリートマガジン2021年3月号で行ったインタビューをもとに編集)

キャンプイン直後のブルペンで152kmを計測した小林樹斗投手。

◆合同自主トレに備えて智弁和歌山高で猛練習

—春季キャンプ真っただ中ですが、体の状態はいかがでしょうか?

「体的にはまだまだいけるという感覚があるんですが、やはりプロの世界ということで緊張感であったり初めての経験が多いということもあって、その辺の部分で少し疲労が溜まっているかなという感じも受けています」

—先輩に囲まれて気疲れもあるのではないでしょうか?

「今までテレビで見ていた先輩方と一緒に練習しているので、まだまだ慣れない部分も正直あります(苦笑)」

—ドラフト指名後は、どのような調整をされていたのでしょうか?

「1月の合同自主トレからしっかり動ける状態にしておきたかったので、毎日学校(智弁和歌山高)に行って練習していました。内容は高校の冬にやっていたような基礎的な練習を中心に、ウエートトレーニングではシーズン中には挙げない重量を扱ったり、技術、体力ともに少しでもレベルアップしてプロの世界に入れるようにと常に考えながら練習していました」

—キャンプインしてからは、どのようなメニューが中心になっているのでしょうか?

「午前中はブルペンに入ったり投内連係だったり技術練習がメインで、午後からは体幹トレーニングなどです。ランニングも毎日入っています。基礎的な練習は高校時代にやっていたメニューと似ている部分も多いので、そういった意味では練習で苦労はしていないです」

—周りには大瀬良大地投手、野村祐輔投手、中﨑翔太投手などそうそうたるメンバーがいますが、やはり意識しますか?

「最初は『オオーッ』と思いました(笑)。先ほども言いましたけどファンのときにテレビで見ていた方が目の前にいるので(笑)。ただ、今は少しでも自分のプラスになるように、という目線で練習を見させてもらっています。実際に大瀬良さんに話を聞かせてもらったりしていますし、その中で練習への取り組み方を見たり聞いたりして感じるものもあるので、そこは自分のプラスになっていると思います。大瀬良さんは調子が悪いときの修正ポイントとか、そういう細かいところまで意識してブルペンに入られています。一球一球をすごく大事にされているという印象を受けました」

—プロの投手の球を生で見て、率直にどのような感想を持ちましたか?

「真っすぐのキレが本当にすごいんですけど、一番驚いたのはコントロールです。そこでミスをしないということを一番感じました。実戦では一球のミスが命取りになるので、今はコントロールの重要性を強く感じています。自分はコントロールに関しては、まだまだなので」