◆若い選手にとっては全てが勉強。悲観する必要はまったくない

─小園選手同様、林選手も一軍でポジションをつかみつつあります。どういった部分が成長したと感じていますか?

「開幕直後の林は、自分のスイングが全くできておらず、打率も1割台に低迷していました。4月下旬くらいから少しずつ数字を残してきましたが、一軍昇格はタイミングでしょうね。コロナの影響がなければ上がっていなかったと思います。小園と違い林はもう少し時間がかかると思っていましたから。エキシビションマッチではかなり苦しんだようで(25打数1安打)、その時に林が二軍の試合に出場することがあったので久々に見たらかなり状態は悪かったですね。ただ本人にも伝えましたが、これも全て勉強です。悲観する必要はまったくありません」

─林選手は一軍での見逃し三振がわずか3つしかありません。積極的にバットを振っていく姿が印象的です。

「あれだけ体が大きいので、見ている人からすると、例え当たらなくても豪快に三振してほしいのではないかと思うんです。送り出す方からしても同じ気持ちです。球を選びすぎて見逃して三振よりは、しっかりバットを振って帰ってきてほしいなと。おそらく林もそういう思いがあるのではないかと思います」

◆プロフィール
72 東出輝裕(ひがしで・あきひろ)
1980年8月21日生、福井県出身。1998年ドラフト1位でカープに入団。高卒ながら1年目から78試合に出場。2006年からはセカンドのレギュラーに定着。2008年、2009年はベストナインに輝いた。2015年限りで現役を引退し、2016年から一軍打撃コーチに就任。2020年からは二軍打撃コーチとして若手野手の育成に尽力している。