今季、先発ローテに定着しつつある高卒2年目の玉村昇悟。4月に一軍昇格すると、毎試合大崩れすることなく、安定した投球を続けている。先発としての役目を果たす要因はなにか、成功と失敗を重ねながら成長を続ける左腕に話を聞いた。※数字はすべて8月16日現在。

プロ5度目の先発登板でプロ初勝利を飾った玉村昇悟投手。

◆スタミナがないことを認識しているからこそ冷静に丁寧に

─前半戦は先発した全ての試合で5回を投げ切り先発の役目を果たしています。また8試合中6試合で球数は100球超え。このタフさも玉村投手の魅力だと思います。

「実はずっとスタミナがないと言われてきたんです(苦笑)。二軍でも4回や5回くらいから相手打者に捉えられることが数多くありました。先を計算して、このイニングまで投げようと思って試合に入るとダメになることが多いので、まずは与えられている目の前のイニングをしっかり抑えようと思って投げています」

─一軍での失点を見ていくと、黒星がついている時は、たしかに4回と5回の失点が多いです。逆に勝ち星をあげた時は、4回と5回は無失点です。

「一軍で成績を残している打者は、1打席目の感覚を、2打席目以降できっちり修正してきます。序盤と同じ投球だと抑え切れないことが多いので、捕手の方と話し合い、冷静に丁寧に投げるようにしています」

─これまで一軍では坂倉将吾選手と石原貴規選手とバッテリーを組まれていますが、普段、捕手の方とはどんなやりとりをされていますか?

「石原さんは年齢は上ですが、入団した年が同じということもあり話しやすい雰囲気をつくってくださいますし、坂倉さんも『何でも言ってこい』と言ってくださるので、そこは遠慮せずこちらの思いを伝えるようにしています」