昨季まで13年間カープに在籍し、8月31日にロッテに入団していた小窪哲也選手が一軍昇格を果たし、9日のオリックス戦(ほっともっと神戸)でスタメン出場を果たした。カープ時代にコーチと選手という立場だったカープOBの大野豊氏に、小窪について語ってもらった。

9月9日のオリックス戦でスタメン出場となった小窪哲也選手(写真はカープ時代)

◆若手の手本になるような言動を

 小窪の動向については気になっていましたね。2007年のプレ五輪で私は投手コーチを務めていたのですが、青学大時代彼はメンバーに入っていましたし、カープ時代もコーチを務めていた時期も一緒にプレーを共にしました。よく声も掛けていて気になる存在でした。

 カープ退団後、NPB復帰を目指して頑張っていましたが、熊本の独立リーグチーム(独立リーグ・九州アジアリーグの「火の国サラマンダーズ」)に決まった時も電話させてもらいましたし、今回ロッテ入団が決まったときもメールで「戦力になれるように頑張れ」と伝えると「優勝できるように、戦力になれるように頑張ります」と力強い返事をもらいました。

 36歳と若くないだけに、まず結果を出すことが大事でしょうね。ですが、プロで13年間プレーしてきた経験を踏まえて考えると、プレーはもちろんですが、ロッテでは若い選手たちのお手本になるような言動、行動を見せてほしいと思います。

 カープ現役選手たちも同じチームで共に頑張ってきた選手に対しては、どこに行こうとも頑張ってほしいと思っているのではないでしょうか。また小窪の場合はカープ退団後はいろいろな苦労を経てNPB復帰を実現した訳ですから、なおさら応援したいですね。

 これからロッテで何年プレーを続けることができるか分からないですが、まずは悔いのないようにやるべきことをやってほしいです。そして一軍の舞台で、小窪の持ち味である粘り強いバッティングを見せてほしいですね。