一軍での活躍が期待されるカープ選手の2021年の声をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、後半戦いまだ勝ち星がない森下暢仁。エースへの階段を上がる途中にふりかかった試練。森下はこの壁をどう乗り越えていくか。2021年4月に行ったインタビューから、森下が今季にかける決意を紹介する。
（広島アスリートマガジン2021年5月号で行ったインタビューをもとに編集）
◆任された場面で結果を出す。先発としてやることは同じ
─今年は開幕投手候補として名前が挙げられる立場になりました。昨年以上にチームの主力投手として期待されるなかで、1年目とは違う意識の変化は生まれましたか？
「“任されたところで結果を出す”ことにこだわるのは、これまでと変わりません。やっぱり先発として投げて勝つことが求められていると思いますし、勝ち星が、自分にとってもチームにとっても良い影響をもたらしてくれると思っています」
─そういった意識の面で影響を受けている投手はいますか？
「（大瀬良）大地さんですね。カープで大地さんと出会い、大地さんを見て成長できた部分がありますし、いつか大地さんを超えたいという思いでやってきました。今季はとにかく、大地さんに置いていかれないようにやっていきたいと思っています」
─また今年は、大学日本代表でも一緒にプレーした栗林良吏投手がチームメートになりました。同じチームになったことで栗林投手から影響は受けていますか？
「やっぱり頼もしいですし、こうやって一緒にプレーできるとは思っていなかったので、カープのユニホームを着て同じ空間で野球ができるのはうれしいですね。頼りになる先輩がまた一人増えたと思っています」
─今シーズン初登板となった3月30日の阪神戦（マツダスタジアム）では6回1安打無失点で今季初勝利を手にしました。幸先の良いスタートを切りましたが、手応えはいかがでしたか？
「ストライクとボールがはっきりして球数が多かったのは反省点ですが、チームが勝てたことは大きかったと思います。また白星がついたことで、前向きな反省をして次の登板に臨めますし、自分にとってもチームにとっても次につながる投球ができたと思います（次戦4月6日のヤクルト戦（神宮）では、完封勝利）」
─今季の目標を教えてください。
「一つでもいいからタイトルを獲得することです。もしシーズン終盤、狙える位置に自分の名前があれば狙っていきたいです」
─その目標を達成するために、1年を通して貫き通したいテーマはありますか？
「“昨年活躍したのに今年はダメだった”と言われるのは嫌なので、やるべきことをやって試合に備えたいと思います。あとはケガで離脱することなく、シーズンを通して先発ローテーションで投げたいと思います」
─最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「昨シーズンの経験があるから分かることかもしれませんが、ファンのみなさんがいてこそ、あの舞台が成り立つと感じています。たくさんの方々に応援されて、自分たちは勇気をもらっていますし、逆に応援してくださっている方々に勇気を与えられる投球ができたらいいなと思っています」
◆プロフィール
森下暢仁 18
■もりした・まさと ■1997年8月25日生（24歳）■180cm/77kg
■右投右打/投手 ■大分県出身 ■大分商高－明治大－広島（2019年ドラフト1位）
