昨季は連続試合出場のストップ、右膝手術とこれまでにない苦境に立たされた田中広輔。完全復活を目指す今季は選手会長を託され、チームリーダーとしての役割も求められる。故障明けながらもキャンプから順調な調整を進めてきたが、開幕は不透明な状況が続く。誰も経験したことのない困難な状況で練習を続ける、背番号2の思いに迫った。

今季から選手会長に就任した田中広輔。

─新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月後半には無観客での練習試合が続きました。田中選手にとってもあまり経験がないことであったと思いますが、モチベーションを保つという部分ではいかがでしたか?

 「野球をやることに対しての気持ちの変化は特にはありませんでした。でもやっぱり、いざ無観客という状況で試合をしてみると、『本当にファンのみなさんの声援は力になるんだな』ということを改めて感じています」

─開幕延期が続いていますが、調整が難しい部分はありますか?

 「もちろん調整という面で考えると難しいことではありますけど、これまでしっかりとキャンプもやってきています。そこで『決められたところでしっかりとしたパフォーマンスを見せる』というのはプロとして当たり前のことだと思っていますし、やらなきゃいけないことですからね。調整が難しいと言っている場合ではないと思います」