一軍での活躍が期待されるカープ選手の2021年の声をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、4月下旬に一軍昇格を果たすと、一気にショートのポジションに定着した小園海斗。2021年7月に行ったインタビューから、出場試合わずか3試合に終わった昨年の悔しさをバネに成長を続ける小園の思いを紹介する。
(広島アスリートマガジン2021年8月号で行ったインタビューをもとに編集)

攻守においてキーマンとなる活躍を続けている小園海斗選手。

◆小園の打撃の意識を変えた日本代表選手のアドバイス

─今季の自主トレは山田哲人選手(ヤクルト)と行われました。東京五輪の日本代表にも選ばれた、球界を代表する打者から得たものを教えてください。

「打撃の確実性を上げるための取り組みを教えてもらいました。打つポイントが一つだとそこでしか良い当たりは出ませんが、そのポイントが多いと安打の確率は増えます。そのための練習だったり、打席での球の待ち方など、たくさんのことを教えてもらい意識が変わりました」

─開幕は二軍スタートも、順調に結果を残し、4月22日に一軍昇格。どんな気持ちで一軍に合流されましたか?

「二軍とはいえ、課題だった打率を残せていたので、一軍でもやっていける手応えはありました。昨シーズンは本当に悔しい1年でしたし、今年の春季キャンプも二軍。絶対に一軍に上がってやるという気持ちで日々プレーしていたので、その気持ちを忘れずに一軍に上がりました」

─田中広輔選手の不調もあり、昇格してすぐに、ショートでのスタメン出場が続き、ここまで打率3割台をキープするなど、コンスタントに結果を残されています。一軍でやっていける手応えをつかんだ打席はありますか?

「練習していたことを実践できたという意味では、4月27日のDeNA戦(マツダスタジアム)で、大貫(晋一)さんから打ったレフト前ヒットです。この打席、2ストライクからのストレートをしっかり捉えてタイムリーを打つことができました。簡単に三振しないように、今年から追い込まれたらノーステップで打つようにしているのですが、それを一軍で形にできたので印象に残っています」

─「三振をしないために」という言葉がありましたが、そのためにどういった取り組みをされていますか?

「とにかく前に打球を飛ばせば、相手がミスをしてくれるかもしれませんし、三振せずに粘っていれば四球で出塁できるかもしれません。三振だと何も起こりませんから、バットに当てやすいノーステップで打つなどして、三振をしないように心がけています」

─調子の波を一定にするうえで心がけていることはありますか?

「もちろんまだまだミスショットや悔しい打席は多いですが、ヒットは最低でも1日一本は打ちたいと思っています。その日、仮に3打席打っていなくても、最後の4打席目で打つなど、一軍でプレーするには、そういう積み重ねが大事だと思うので、そこは試合中に気持ちを切り替えて修正しながらやっています。その切り替えはうまくできていると思っています」

◆プロフィール
小園海斗 51
■こぞの・かいと ■2000年6月7日生(21歳)■178cm/84kg   
■右投左打/内野手 ■兵庫県出身 ■報徳学園高-広島(2018年ドラフト1位)