選手会長としての覚悟

「もちろん調整という面で考えると難しいことではありますけど、これまでしっかりキャンプもやってきています。そこで『決められたところでしっかりとしたパフォーマンスを見せる』というのはプロとして当たり前のことだと思っていますし、やらなきゃいけないことですからね。調整が難しいと言っている場合ではないと思います」

 開幕が見えない状況下であっても、田中ら選手たちは試行錯誤を重ねながらできる限りの調整を続けている。誰も経験したことがない未曾有の事態。それでも弱音を吐くことなく、日々の困難な状況に立ち向かっている。

「(個人としては)まずはシーズンを通してケガなく、自分の仕事を全うしたいと思っています。数字的な目標は特に設定はしていません。もちろん『もう一度フルイニング出場をしたい』という思いを少しは持っていましたけど、これまでもそれをメインに考えながらプレーをしていたわけではありません。レギュラーとして試合に出続けるのが当たり前だと思ってやってきましたし、そうできるようにしたいです」

 全国に緊急事態宣言が発令されたこともあり、5月5日の段階では今後のスケジュールは未定だ。それでも田中は“一体感”を旗印とする佐々岡新体制のリーダーとして、覚悟を持って来たるべき開幕を待ち続ける。

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