2月27日の開幕戦(仙台戦)で今季のチーム初ゴールを叩き込むなど、ここまでチームトップの7得点を記録しているサントス。シーズン前半は厳しい戦いとなったが、徐々に調子を上げ、チームに溶け込んでいる。移籍1年目。ここまでのシーズンをサントスに振り返ってもらった。※取材は9月上旬。

逆境を乗り越え、チームに貢献するサントス選手。

◆勝利が自信につながる。チームの総力を結集して勝利を

―シーズン前半戦はなかなか得点を決めることができませんでしたが、何が要因だったのでしょう?

「実は今年、ピッチ外でいろんなことが起きていました。ブラジルに残してきた父親、母親代わりだったおばが亡くなり、そのほかにもいろいろな辛い出来事がありました。シーズンの最初頃は、モチベーションを保って何とか取り組んでいましたが、ひとつ何かがうまくいかなくなったときにズルズルとメンタルが崩れていき、立て直せなくなっていました。眠れない日々が続きました。もちろんプロなので、それを言い訳にしてはいけないと思っていますが、それらの出来事がメンタルに大きな影響を及ぼしていました。ただ逆のケースもありました。離れて暮らしていた妻が広島に来れるようになったという報せが入ってきた後に行われたのが大分戦でした。2得点はその良いニュースが影響を与えたのかもしれません。家族の存在の大きさを改めて実感しましたね」

―現時点でサントス選手のゴールは7得点です。残りのシーズンの目標と、サポーターへのメッセージをお願いします。

「今シーズンはあと10点は取りたいと思っています。快勝した大分戦で改めて思ったのですが、勝利することが自分たちの自信につながります。そして勝つことで、みんなが笑顔になり、チームの雰囲気も良くなるなど、いろんなことが好転します。やはり自分たちは勝つことに貪欲であるべきだと再確認しました。今シーズンは、サポーターのみなさん、サンフレッチェを支えてくださっているみなさんに残念な試合を観させてしまうことが多かったので、これからはみなさんを笑顔にできるようなプレーを届けることを約束します。チームの勝利のためにできる限りのことに取り組み、チームの力をひとつにして数多く勝利をつかんでいきたいです」

●プロフィール
ジュニオール サントス
1994年10月11日生 ブラジル出身/FW
得点感覚に優れたストライカー。2017年にブラジルでプロデビューを果たすと、2019年に柏に移籍。2020年シーズン途中に横浜FMに期限付き移籍し、その年22試合の出場でチームトップの13得点を記録した。2021年にサンフレッチェに加入。