プロ1年目、開幕一軍入りを果たすと、貴重な左腕リリーバーとして活躍。力強さを増したストレート、キレのある変化球を武器に、後半戦は勝ち継投を担うなど、存在感を高めている。心は熱く頭は冷静に、ポーカーフェイスで投げ抜く左腕の声を届ける。
※取材は9月上旬。
◆コーチの助言でフォームを微修正。その結果、ストレートが進化
─7月は4試合に登板し防御率0.00。8月は5試合に投げて防御率1.59。夏場以降、素晴らしい成績を残されていますが、試合を重ねるうちにつかんだものがあるのでしょうか?
「腕をしっかりと振ることができるようになったので、その分、変化球のキレも良くなりました。特にチェンジアップは決め球にも使っていますし、プロに入って自信を持って投げている球です」
─入団前に取材させてもらった時、『一番アピールしたいのはチェンジアップ』と言われていましたが、プロに入ってから持ち球に変化はありましたか?
「玉村(昇悟)の投げ方を参考にした部分もありますし、プロの投手が投げるツーシームのように、外に逃げていくイメージで投げるようになってから、スピードもキレも増した感覚があります」
─夏場あたりから、ストレートの球速、力強さやキレも増したように感じますがいかがでしょうか?
「シーズン前半に投手コーチから投げる時に下半身が流れていると指摘をいただき、下半身をしっかり止めて体が流れない投球フォームに微修正しました。その結果、下半身が安定し、腕をしっかりと振ることができるようになり、ストレートにノビが出てきました」
─奪三振の数も目立ちます。8月は5試合で10奪三振。1試合あたり2つ三振を奪っている計算になります。
「腕が振れるようになってから指にかかる球が増えてきた手応えがあります。ストレートが良くなったぶん、変化球もより活きているように感じています」
─天理大の先輩で、大学時代に一緒にプレーされた石原貴規選手から、捕手視点でアドバイスなどはありましたか?
「石原さんにも大学時代に比べて、ストレートが良くなったと言われました。今の良い感覚を忘れないようにしっかり投げていきたいです」
─同じ投手でもある同期入団の栗林良吏投手、大道温貴投手からはどんな影響を受けていますか?
「栗林さんの9回のマウンド姿は学ぶものがたくさんありますし、大道はキャンプですごくアピールしていたので、自分も負けていられないという気持ちになりました。縁があって同じ時期に入団できたので、お互いに切磋琢磨しながら成長していきたいと思っています」
─8月以降は勝ちパターンの継投に入ることが増えました。マウンドに上がる時の心境に変化はありますか?
「意識しないようにはしていますが、これまで以上に緊張感を感じるようになりました。ただ、どんな場面でマウンドに上がっても0点に抑えるのが今の自分の仕事だと思うので、やるべきことに集中して役目を全うしたいと思います」
─マツダスタジアムでは24試合に登板し防御率1.74(10月11日時点)。ホームゲームで素晴らしい成績を残されています。
「いろんな球場で投げさせてもらいましたが、マウンドの硬さ、雰囲気も含めてマツダスタジアムのマウンドが一番投げやすいです。残り試合も、任された登板を、しっかりとゼロに抑えてチームの勝利に貢献できるように頑張ります」
◆プロフィール
森浦大輔 13
■もりうら・だいすけ ■1998年6月15日生(23歳)■175cm/72kg
■左投左打/投手 ■和歌山県出身 ■天理高-天理大ー広島(2020年ドラフト2位)