リーグ2位の35セーブをあげているカープの守護神・栗林良吏。大逆転のCS進出に向けて、ドラ1右腕の奮闘は欠かせない。今シーズン、ここまでの登板で救援に失敗したのはわずか1度。脅威のリリーフ成功率を誇る栗林良吏。東京五輪では侍ジャパンのクローザーに抜擢され、悲願の金メダル獲得に大きく貢献した。

 今年9月に行った独占インタビューより、ゼロを刻み続ける右腕が、プロとして投げていくうえで大切にしていることを紹介する。

開幕から大車輪の活躍を続ける栗林良吏投手。

◆社会人では打たれていたコースで空振りが奪えていることに手応え

─入団前のインタビューで「直球が良くないとプロでは生き残れないと思うので直球にはこだわっていきたい」と話されていました。プロ入り以降、直球が進化した手応えはありますか?

「社会人の頃は、先発をやっていたこともあり球速は140キロ台中盤でしたが、少々甘く入ったら捉えられることが数多くありました。ただ、プロ入り以降は、真ん中高めくらいのゾーン、打たれたら球が甘かったと言われる高さの球でも空振りをとれることが増えました。そういう意味では、社会人の頃よりも強いストレートを投げることができているのかなと思います」

─冒頭でも話にあがりましたが、クローザーに限らずリリーフ投手は準備が大切だと言われています。登板に向け、気持ちを整えるうえで、どんなルーティンを大切にしていますか?

「クローザーを任されてからは、毎試合ブルペンには5回以降に入ります。入ってからは、試合展開を見ながら、いつもと同じように、決めたルーティンをこなしながら準備を進めていきます。そのなかでも、以前もお話した登板前の最後の5球(ストレート、カットボール、カーブ、フォーク、ストレート)は自分にとって締めの5球になるので大切にしています。それを毎試合継続して行い、気持ちを高めるようにしています。一軍での登板を重ねるごとに、その準備方法に関しても、良い意味で徐々に自分のものにできてきたかなと思っています」

─社会人で投げている頃からある程度、ルーティンを確立されていたと思います。プロに入って、新たに加えたルーティンはありますか?

「僕はもともとルーティンが多いタイプなので、プロ入り後は、増やすことよりも減らすことを意識しています。プロ野球選手は、いろんな環境で野球をしないといけないので、そのルーティンができなかった時に不安になるからです。ただ、新たに加えたものもあります。一つ挙げるとストレッチ。カープに入ってからストレッチに時間をかけて取り組むようになりました。今はイニングとメニューを決めてストレッチを行っています」

◆プロフィール
栗林良吏 20
■くりばやし・りょうじ ■1996年7月9日生(25歳)■178cm/83kg   
■右投右打/投手 ■愛知県出身 ■愛知黎明高-名城大-トヨタ自動車-広島(2020年ドラフト1位)