3年連続でBクラスに終わった2021年のカープ。ただペナントレース後半戦は、小園海斗や林晃汰など、多くの若手選手が活躍し、来季への期待を抱かせてくれた。その若手選手の成長について、カープOBの笘篠賢治氏に聞いた。

今季、4本塁打を放つなど打撃での活躍も目立った石原貴規選手。

◆最終戦、石原貴規が見せた技ありのバッティング

 シーズン最後を3連勝で締めくくり、結果的に63勝68敗12分け。9月に最大借金17もあったことを考えると、よくここまで盛り返しましたと思います。

 11月1日の最終戦(ヤクルト戦・神宮)では、初回に石原貴規が17球粘って本塁打を放ちました。あの打席は追い込まれてからの対応がすごく良かったです。最初から引っ張りにいくのではなく、体を閉じて右方向へのイメージを持ったうえで、インローのチェンジアップをレフトスタンドに運びました。

 追い込まれた状況だけではなく、初球からあの打ち方でいってもいいと思います。そうやって打席の中でバッテリーとの駆け引きができるようになると、もっと打率も上がっていくはずです。それは同時に、捕手としてのリードにも活きてくるはずです。

 そして、小園海斗がラスト3試合で、3試合連続猛打賞を記録。リーグ8位の打率.298でシーズンを終えました。残念ながら3割には届きませんでしたが、これはショートのレギュラーをつかんだと言ってもいい結果ですよね。

 坂倉将吾も、最後まで鈴木誠也と首位打者争いを繰り広げて、リーグ2位の打率.315。彼らを筆頭に打撃陣の成績は素晴らしかったです。若手選手には今季の成績を糧に、来季さらに成長した姿を見せてもらいたいですね。