◆目標の規定打席を達成したい

─オリックス戦でのサヨナラ本塁打の打席では、ノーステップで打撃をされていました。

「あの打席では足を上げていてもタイミングが合わなかったので、ああするしかないと思いました。少し前に一度だけ中日との対戦のときにやったことがあったのですが、ノーステップで打つことは練習でもやっていませんでした。本当にその場面での判断でした。もちろん本塁打なんて想像していませんでした。あのときは『とにかく三振だけは絶対にしたくない』と思っていましたし、当てて転がせばなんとかなるという思いだけの行動でした」

─対オリックス初戦でのサヨナラ弾の日で、シーズン中に初の規定打席に到達しました。

「目標にしていた部分があったのでうれしいですし、やっぱり試合に出続けないと規定打席というのはないことですからね。そういった面ではこれからどうなるか分かりませんが、今後もシーズン規定打席を目標としているので、それを達成したいと思っています」

─交流戦に入り、特に追い込まれてからの打撃で結果を残されています。

「一番は三振をしない、フライを上げないという意識が強いですね。当てられる球は全部当てたいという気持ちです。好調なときにはもちろん数字が残りますが、基本的に数字は見ないようにしています。ただ、ヒットというよりは、抑えられた内容ばかりを気にしてしまいます。もちろんヒットが出ているので気分的に余裕はありますが、『何であの打席あんな抑えられ方をしたのか？』ということばかりを考えています」

─昨季『交流戦でいろんな打者を生で見れたことが大きかった』と話されていましたが、やはり刺激になるものですか？

「今季に関して言うとソフトバンク戦のときに初戦から2試合ほど試合に出ていないことがありました。そのときに内川（聖一）さんやいろんな打者のタイミングの取り方をずっと見ていて参考にさせてもらいました。それで3戦目にスタメンで出たときに5打数5安打と良い結果が出たことがありました。そういった面では、昨季と違った意味で参考になりました。昨季は交流戦が初めての体験だったので『すごいな』と圧倒されていた部分が大きかったですが、今季は違った感覚で見ることができていたと思います」

─ソフトバンク戦では、自主トレを共にした内川選手との対戦になりました。

「ヒットを打って出塁したときに一塁で『調子良いね』と言われましたが、そのときに僕のユニホームの裾が少し破れていて『プロ野球選手として見られているんだから、そんなの着るな』と怒られました（苦笑）。自主トレのときからいろいろ注意していただいていたので、僕としては言っていただけるのはとてもありがたいです」