センターバックを務め、レジーナの守備陣をまとめる左山桃子。粘り強い守備、167cmの長身を活かした空中戦を得意にしている。レジーナ加入をきっかけに故郷の広島に戻ってきたDFの声を届ける。

今季から広島に戻ってきた左山桃子。レジーナの守備陣をまとめる役割を果たしている。

◆結果を残すためには自分の気持ちを伝えないといけない

─地元・広島出身の左山選手がサッカーを始めたきっかけを教えてください。

「8人兄弟の末っ子で、3人の兄が全員サッカーをしていたんです。3人だと2対2のゲームができないので、よく私が連れられて行っていました。本格的にチームに入ったのは小学5年生ですが、ボールは幼稚園の頃から蹴っていましたね」

─現在はDFですが前所属の静岡SSUアスレジーナではFWをされていました。

「実は大学2年生までFWだったんです。そこからボランチやDFを経験し、アルビレックス新潟レディースではDFでした」

─いろいろな役割を担ったことでDFのプレーに活きていることはありますか?

「守備時の追い込み方だったり、味方のFWに提供するロングフィードだったり、FWの気持ちが分かるだけに、それを見越したプレーができるようになりました」

─新潟と静岡でプレーした左山選手から見たレジーナの魅力を教えてください。

「若い選手が多いチームなので、一人ひとりの選手の持ち味を活かせるようなチームづくりができているのかなと思います」

─レジーナ始動から約半年が経ちましたが、チームの変化はどう感じていますか?

「プレシーズンマッチ、リーグ戦と実戦をこなしていくなかで、選手自身がやりたい、挑戦したいプレーを積極的に話し合うことができるようになりました。このコミュニケーションの活性化が一番大きな変化だと思いますね。些細なプレーであったとしても、自分の気持ちを伝えて相手の気持ちも聞く。そのやりとりは、私自身もサッカーをやっていく上で大切にしています」

─そういったプレースタイルはいつ頃から意識されていますか?

「中学1年生の時に、30代後半の選手もいる大人のチームでサッカーをしていたのですが、最初はコミュニケーションを上手く取ることができませんでした。結果を残すためには、自分の気持ちを伝えないといけないし、指示を待つだけではダメだと痛感しました。その頃の経験が大きいですね」

─始動当初と比べ、コミュニケーションの部分で成長を感じる選手はいますか?

「チーム最年少の(柳瀬)楓菜ですね。意見を伝え、周りの声も聞くことができるようになりました。そういう意味では、若い選手にとってもプレーしやすい環境が整ってきているのかなと思います」

─若い選手が多いだけに左山選手や近賀ゆかり選手が与える影響も大きいのでは?

「世界を経験した近さんがいることで練習にも緊張感がありますね。近さんは全てが完璧。練習している姿ひとつとっても、見ていて全くムダがありません」

─左山選手が考える女子サッカーの魅力や見どころを教えてください。

「男子サッカーに比べるとプレーの強度が弱いと思われるかもしれませんが、サッカーへの執念は負けません。レジーナにはチームのために懸命に走る選手が多いので、そういう貪欲さ、必死さを見てもらいたいですね。また私自身もDFとして粘り強い守備を持ち味にしているので、最後まで諦めないプレーを届けていきたいです」

◆プロフィール
#6 左山桃子
さやま・ももこ/1992年2月19日生 広島県出身/DF/167cm・54kg
U-15広島県代表・U-19日本女子代表に選出。藤枝順心高、静岡産業大を卒業後、なでしこリーグのアルビレックス新潟レディースで6年間プレー。昨年は静岡SSUアスレジーナでプレーした。今季、サンフレッチェ広島レジーナに移籍。