広島アスリートマガジンWEBでは、これまでカープやサンフレッチェをはじめ、広島のスポーツの魅力を伝えてきた。ここでは、2021編集部セレクションとして、昨年特に反響の多かった記事を振り返る。

 今回は、時代を彩ったカープ選手の足跡を背番号と共に振り返る企画。ブルペンを支える投手陣が受け継ぐ背番号「12」を取り上げる。(2021年6月5日掲載)

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1年目から開幕一軍入りを果たし、24試合に登板した大道温貴。

 今回のテーマである背番号「12」で見てみると、1950年の球団スタートから今季までの72シーズンで24選手が背負い、そのうち投手は17人。年数で見ると、1年だけ所有者がいない年があり計71年中、44年半が投手の年となっている。

 つまり人数で約7割、年数では約6割が投手で占められているということだ。年数比では、意外と投手が少ないように感じられたかもしれない。

 その要因の一つは、この番号の最長所有者で16年を占めるのが捕手だからだ。それが、1957年から1972年まで「12」を背負った田中尊。プロ3年目に南海から移籍すると、1969年までは正捕手として活躍。カープ捕手部門での出場試合数(1429)は、2016年に石原慶幸に抜かれるまで、歴代1位だった。コーチ補佐を兼任した1972年を最後に引退。その後はコーチからフロント入りして球団に貢献した。