2021年シーズン。森下暢仁が先発し、栗林良吏が抑えとして登板。その結果チームが勝利し、森下に白星、栗林にセーブがついた試合は6試合あった。この6試合の中から、お互いが印象に残っている試合を選んでもらった。こちらの質問に、二人が最初に口にした試合は意外にも同じものだった。

森下暢仁(右)と栗林良吏(写真は2021年の春季キャンプ中のもの)

【森下暢仁Select】

◆「どうする?代わるか?」監督の問いかけに即答しました

 迷うことなく7月14日の中日戦(マツダスタジアム)ですね。

 この中日戦は、2021年シーズンで唯一、僕が先発として8回まで投げ、そのまま栗林さんにつなぐことができた試合。それだけに印象に残っています。

 この日、8回まで中日打線を無失点に抑えカープが2点リード。球数は108球。8回表を投げ終えてベンチに戻ったとき、佐々岡監督から「どうする? 代わるか?」と聞かれたのですが、「栗林さんでお願いします」と即答したのを覚えています。

 100球を超えていましたが余力はまだ十分あったので、9回のマウンドに立つこともできました。ただ栗林さんへの信頼があったので、迷うことなくお願いしました。

 9回表は3番打者から始まる打順でしたが、大島洋平選手、ビシエド選手、福留孝介選手の3人を三者凡退で抑えてくれました。最後は150キロ超のストレートを連発して福留選手を空振り三振に。このあたりの締めくくり方もさすがだなと感じましたね。

 2022年は、チームのためにも、2人の継投で勝つ試合を増やしていけたらいいなと思います。

【栗林良吏Select】

◆〝絶対に抑えてやる〟感謝の気持ちと共にマウンドへ

 実は僕も7月14日の中日戦です。

 暢仁と同じ試合ということなので、もう一つ印象に残っている試合にしたいと思います(笑)。

 それは3月30日阪神戦(マツダスタジアム)、暢仁のシーズン初登板だった試合です。

 暢仁には春季キャンプから、いろんなことを教えてもらい、暢仁のおかげでチームに早く溶け込むことができ、カープの一員になれたと思っています。そういった感謝の思いがあったので、この試合は〝絶対に抑えてやる〟という強い気持ちでマウンドに上がりました。

 8回を終わってカープが1点リード。3番の大山悠輔選手から始まる攻撃でしたが、なんとか無失点に抑えることができ、暢仁に1勝目をつけることができたのでホッとしました。

 クローザーをやらせていただく以上、どの先発投手にも勝ち星を届けたい気持ちは変わりません。ただ、暢仁は大学の頃から一緒にプレーしていて、カープに入ってからも面倒を見てもらっていたので感謝の気持ちも大きかったです。

 2022年のシーズンも、暢仁をはじめ、先発投手の白星を後押しできるように抑えの責任を全うしたいです。