今季、外野のポジション奪取の期待がかかる宇草孔基。

 カープの選手に密着し徹底取材をもとにお届けする、J SPORTSと広島アスリートマガジンの新企画『広島東洋カープ選手応援企画』。その記念すべき1人目に選ばせてもらったのはプロ2年目の宇草孔基選手。毎週の取材、毎月1回のロングインタビュー、そして、ファンの方の声も取り入れながら、企画を進めていきます。

 今回の記事は、2021年のペナントレース終了後に実施した独占ロングインタビューから(2021年11月26日に『J SPORTS『カープ“愛”倶楽部』で公開)。この企画ならではの貴重なエピソードを交えながら、今回から3回にわたり(6回〜9回)、プロ2年目のシーズンを終えた宇草選手の熱き想いをお届けします。

《J SPORTSと広島アスリートマガジンが独自に入手したマル秘エピソードも多数掲載》
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◆毎日が“濃かった”10月の再昇格

―7月の密着企画スタート以降、10月に初の一軍昇格。シーズンのラスト1ヶ月を一軍で過ごされました。

宇草:もちろん一軍に上がる準備はしていたのですが、10月はフェニックス・リーグ(宮崎県)に行って、来年のためにどうプレーするかをイメージしていたので、一軍昇格は驚きました。正直な話、一軍に上がれるとは思っていませんでした。ただ、一軍でプレーする機会をもらえたことはうれしかったですし、“やってやるぞ”という気持ちになりました。

―10月5日の中日戦(バンテリンドーム)。昇格して即スタメン(1番・ライト)で起用されました。密着させてもらってきただけに、J SPORTSの担当者さんと喜んだのを覚えています。

宇草:ありがとうございます。その日からシーズン終了まで毎日が本当に濃かったです。いろんな経験をさせていただきました。

―1ヶ月を印象的な出来事と共に振り返っていきます。まずは10月10日の巨人戦(マツダ スタジアム)。3安打を放つ活躍で、森下暢仁投手の白星を後押ししました。

宇草:暢仁が先発する試合なので、一層気合いが入りました。また、捕手が同学年の(石原)貴規だったのもうれしかったですね。“なんとしても勝ちたい!”と意気込んで挑んだ試合でした。

―宇草選手が一軍に上がった頃は、森下投手は、勝ち星がつかず苦しんでいた時期でもありました。同級生から見て、当時の森下投手はどう見ていましたか?

宇草:暢仁は誰がどう見てもすごい投手だと思います。後半戦、白星はついていませんでしたが、試合はしっかりつくってくれていました。何よりも『勝つ』という気持ちが、見ている側に伝わってきます。ベンチでも、けっこう声を出すんですよね。個人的には、ああいった姿勢に勇気をもらいます。だからこそ、『勝ちたい』と思いますし、いい意味で、学生の頃に戻ったような気持ちになります。

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◆打席での意識を変えた鈴木誠也のアドバイス

―続いて10月16日の巨人戦と17日の阪神戦では2試合連続本塁打を打たれました。16日の本塁打は、初の先頭打者アーチ。いずれもファーストストライクを積極的に振っての一打でした。

宇草:16日の巨人戦の本塁打は、(鈴木)誠也さんのアドバイスのおかげです。

―と言いますと?

宇草:例えば、練習で、何のアナウンスもなく打撃投手が変化球を投げてきても、見逃したり、打ち返したりできるんです。ただ、試合になると、うまく対応できず、空振りしたり、打ち損じたりします。それはなぜだと思う?と、誠也さんから聞かれました。力みですかねと言うと、それもあるなと。

―それだけではないと?

宇草:力みもあるだろうけど、意識に変化があるのではないかと言われました。

―意識の変化とは?

宇草:相手投手だと思ってしまうから、練習通り、バランスの良い打ち方ができなくなっている。打撃投手と対する時と同じような気持ちで打席に入ってみてはどうかとアドバイスをいただきました。それで打撃投手の方の名前を囁きながら打席に入り、「練習通り、練習通り、練習通り・・・」と思っていたら打てたんです。嘘のような本当の話です。

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◆宇草孔基 プロフィール
1997年4月17日生。東京都出身。常総学院高では甲子園に出場し準々決勝に進出。高校時代はU-18代表に選出された経歴を持つ。高校卒業後は法政大学へ進学。4年生の春季にベストナインに輝くと日米大学野球選手権大会にも出場した。2019年ドラフト2位で広島東洋カープに入団。ルーキーイヤーの昨シーズンは、二軍で打率.281、62安打を記録。10月に一軍デビューすると、プロ初安打・初打点を記録し、13試合で11安打を放った。しかし10月の試合で右腓骨(ひこつ)を骨折し離脱。長いリハビリを経て、今年4月に実戦復帰。6月にはプロ初本塁打を放ち、交流戦では5盗塁を記録するなど、一軍で存在感をみせた。一度二軍に降格するも、10月5日に一軍再昇格を果たすと、10月・11月で25安打・2本塁打をマーク。1番打者として打線を牽引する活躍をみせた。

【宇草孔基選手応援企画】第5回インタビューはこちら