カープの選手に密着し徹底取材をもとにお届けする、J SPORTSと広島アスリートマガジンの新企画『広島東洋カープ選手応援企画』。その記念すべき1人目に選ばせてもらったのはプロ2年目の宇草孔基選手。毎週の取材、毎月1回のロングインタビュー、そして、ファンの方の声も取り入れながら、企画を進めていきます。
今回の記事は、2021年のペナントレース終了後に実施した独占ロングインタビューから(2021年11月30日に『J SPORTS『カープ“愛”倶楽部』で公開)。この企画ならではの貴重なエピソードを交えながら、プロ2年目のシーズンを終えた宇草選手の熱き想いをお届けします。
《J SPORTSと広島アスリートマガジンが独自に入手したマル秘エピソードも多数掲載》
※記事の全文は『J SPORTS『カープ“愛”倶楽部』で公開中(会員登録無料)
◆打席で大切にしたのは“引きずらないこと”
―10月の一軍昇格以降、無安打に終わった試合はわずか4試合です。
宇草:僕はまだレギュラーではなく、良いものをどんどんアピールしていかないといけない立場です。レギュラーを奪うには、レギュラーの選手以上の結果を残さないといけないので必死でした。
―そのために心がけていたことはありますか?
宇草:第1打席の“入り方”を大事にしていました。もちろん打てなかった時もありましたが、結果が出なければ修正をして、「必ずヒットを1本打つ」という気持ちで試合に臨んでいました。そして、1本ヒットが出たら「絶対に2本目も」という気持ちでいました。
―1本より2本、2本より猛打賞ということですね。
宇草:そうですね。なのでヒットを2本打っても満足せず、「もう1本、絶対に打つ」という気持ちの積み重ねを心がけていました。
―今シーズン、猛打賞は5回あります。そのうち3回は3打席連続安打での達成でした。
宇草:これまでは、ヒットが2本出るだけで手応えを感じていましたが、今シーズンは「いや、違う。もう1本打つんだ」と自分に言い聞かせて打席に入っていました。
◆「絶対、試合に出たい」。その思いが打たせた意地の猛打賞
―宇草選手の打撃成績を振り返ると、対左投手の打率が.333。左投手を苦にしていません。
宇草:対左投手でいくと、一つ大きなきっかけがありました。一軍に再昇格しての2戦目、10月6日の中日戦(バンテリンドーム)です。
―左腕・松葉(貴大)投手との対戦でした。
宇草:そうです。この日の第1打席、入り方があまりよくなくて、センターフライで終わってしまったんです。その時、「あ、今の入り方じゃダメだ」と。ただそのまま戻すことができず、結局4打数無安打。左投手で結果を残せなかったので、めちゃくちゃ悔しかったです。
―ただ、その翌日(10月7日)、中日の先発は左腕・大野(雄大)投手でしたが、1番でスタメン起用されました。
宇草:次の試合も左の大野投手だったので、起用してもらえないかもしれないと思っていましたが、「絶対に試合に出たい。明日も絶対に出るんだ」と強く思っていたので、使ってもらえたのはありがたかったですね。なんとか期待に応えようと必死でした。
―この日は3安打で猛打賞。すべて左投手から打たれました。
宇草:大野投手から2本、岡田(俊哉)投手から1本打つことができました。「絶対に打ってやる」という強い気持ちで打席に立ち、同じ失敗を繰り返さないようにしました。もし、この試合に出場していなかったら、たぶんシーズン終了後まで一軍にいなかったかもしれません。それくらい大事な試合でした。
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◆宇草孔基 プロフィール
1997年4月17日生。東京都出身。常総学院高では甲子園に出場し準々決勝に進出。高校時代はU-18代表に選出された経歴を持つ。高校卒業後は法政大学へ進学。4年生の春季にベストナインに輝くと日米大学野球選手権大会にも出場した。2019年ドラフト2位で広島東洋カープに入団。ルーキーイヤーの昨シーズンは、二軍で打率.281、62安打を記録。10月に一軍デビューすると、プロ初安打・初打点を記録し、13試合で11安打を放った。しかし10月の試合で右腓骨(ひこつ)を骨折し離脱。長いリハビリを経て、今年4月に実戦復帰。6月にはプロ初本塁打を放ち、交流戦では5盗塁を記録するなど、一軍で存在感をみせた。一度二軍に降格するも、10月5日に一軍再昇格を果たすと、10月・11月で25安打・2本塁打をマーク。1番打者として打線を牽引する活躍をみせた。