2022年のカープ。昨年まで4番を打っていた鈴木誠也のメジャー挑戦により、4番打者争いに例年以上に注目が集まっている。

メジャー挑戦を表明し、去就が注目される鈴木誠也。

 この企画では、これまでカープ打線の中軸として活躍した『4番打者』を、世代を代表する選手を中心に取り上げる。チームを勝利に導く一打を数多く放ってきた強打者たち。カープの歴史に息づくエピソードとともに紹介していく。

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#1

◆ R.アレン| 前人未到の記録を打ち立てた助っ人

 

 1989年にカープに加入したパワー自慢の長距離砲。1年目から11本塁打を放つと、1990年には4番として打率.313・25本塁打・61打点の成績を残し打線を牽引した。また、この年は前人未到の大記録も。史上14人目となる4打席連続本塁打、1試合で代打満塁本塁打とサヨナラ本塁打を放ち、歴史に名を刻んだ。球団史上初の背番号『00』で臨んだ1991年には、西武との日本シリーズで、史上10人目のシリーズ初打席初本塁打を含む2本塁打を放つ活躍をみせた。

【データ】1989年〜1991年
246試合 打率.288 224安打 45本塁打 133打点(通算成績)
4番での出場数/89試合

勝負強い打撃でリーグ優勝に貢献|西田 真二

 V6を達成した1991年、シーズン後半に4番に定着すると、自己最多となる102試合に出場し、打率.289・7本塁打・51打点をマーク。優勝を決めた阪神戦では初回に先制タイムリーを放ち、この一打が決勝点となった。4番としての輝きを放ったのはこのシーズンのみだが、勝負強い打撃を武器に、代打の切り札として活躍。現役時代は『トラさん』の愛称で親しまれ、1983年には4連続代打本塁打というセ・リーグタイ記録をマークするなど、勝負師の打撃でカープを支えた。

【データ】1983年〜1995年
777試合 打率.285 402安打 44本塁打 226打点(通算成績)
4番での出場数/120試合

猛練習が生んだ広島のアーチスト|江藤 智

 捕手から内野手に転向した1991年に開幕スタメンを果たすと、初の2桁本塁打を記録。4番に定着した1993年に34本塁打を放ち本塁打王に輝くと、1995年には本塁打王と打点王の2冠を獲得した。当時『ビッグレッドマシン』と呼ばれた強力カープ打線のなかで、野村謙二郎、前田智徳らと共にクリーンナップを担い、巨人移籍後の2003年まで、13年連続で2桁本塁打を達成した。美しい放物線を描く打球が印象的で、『ホームランアーチスト』の異名をとった。

【データ】1989年〜1999年
1834試合 打率.268 1559安打 364本塁打 1020打点(通算成績)
4番での出場数/795試合(カープ在籍時)