思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回スポットを当てたのは、カープ選手の体型。その共通点をオギリマ視点でゆる~く取り上げる!

◆顔つき、体つきに感じる「カープっぽさ」の共通点とは……

 昨年10月のドラフト会議、カープの6位指名の選手を見て、私は思わず「あれ、カープっぽくない」と思ってしまった。社会人野球・大阪ガス出身の野手、末包昇大のことである。末包の顔立ちや体つきは、「おかわり君」こと中村剛也や山川穂高を彷彿とさせ、私は同時に「西武っぽい」という感想を抱いたわけである。

 私がイメージするカープっぽい体型とは、スリムで俊足、シュッとしている「小兵タイプ」だ。高橋慶彦や正田耕三といった、往年のカープの名選手たちもそうだったのではないだろうか。逆にドカベンのようなドッシリした「巨漢タイプ」は、カープには少なかったように思う。体の大きなカープの選手を挙げてみようとしても、エルドレッドやザガースキーなど、外国人選手ばかりが頭に浮かんでしまう。

 しかし、こちらが勝手なイメージを抱いているだけで、「小兵」と呼ばれる選手たちも実はガッシリしているのかも知れない。そんなことを思ったのは、芸備線の「カープラッピング電車」に掲示されているカープ選手たちのポスターを見たからである。「ひと肌脱ぐ」というキャッチコピーが添えられた上半身裸の若手選手たちを見ると、チームで最も小兵の羽月隆太郎(167㎝・69㎏)でさえも、見事な筋肉の付き方をしている。

 また、ベースボール・ライターの宇根夏樹氏の記事『各球団の身長が最も高い選手と低い選手、最重量と最軽量。2022NPB』によれば、今年体重100㎏以上の選手が最も多い球団は、巨人と並んで9名のカープであり、選手の平均体重が最も重いのもカープなのだという(平均87.0㎏)。このデータは意外であった。

 そのカープの100㎏以上の選手9名とは、中﨑翔太(101㎏)、菊池保則(104kg)、ターリー(104㎏)、フランスア(102㎏)、コルニエル(101㎏)、林晃汰(101㎏)、正隨優弥(100㎏)、末包(110㎏)、松山竜平(100㎏)である。イメージ通りの選手もいれば、正隨などは勝手に「シュッとしてるグループ」に属していると思い込んでいたため、そのギャップに驚いた。

 カープにイメージよりも体重が重い選手が多いのは、筋肉質の選手が多いからではないかと推測しているが、それにしても末包のサイズ感は別格である。巨漢の選手イコールスラッガーではないのも承知だが、それでも末包が打席に立つと、豪快な一発を期待してしまう。2月26日、対巨人とのオープン戦でホームランを放った末包を見てつい、「大きいことはいいことだ~」という昔のCMソングを口ずさんでしまった。

 「ドッシリした巨漢」が、新たな「カープ体型」となるのかどうか。

 今シーズンの末包の活躍に注目していきたいと思う。

 

※注:身長・体重のデータはNPBのサイトに基づく。

※出典:『各球団の身長が最も高い選手と低い選手、最重量と最軽量。2022NPB』https://news.yahoo.co.jp/byline/unenatsuki/20220303-00284718

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オギリマサホ
1976年東京都出身。イラストレーターとして雑誌や書籍等の挿絵を手掛けるかたわら、2018年より文春オンライン「文春野球コラム」でカープ担当となり独自の視点のイラストコラムを発表。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)がある。