4年ぶりのリーグ優勝に向けて、春季キャンプを終え、オープン戦に突入したカープ。OBの笘篠賢治氏に、2月下旬から始まったオープン戦を見て感じたことについて聞いた。
◆熱くプレーするだけではダメ。勝負に必要な冷静さ
オープン戦、なかなか点が入らない状況が続いています。紙一重的なところもありましたが、チャンスでの併殺打や走塁ミスによって得点につなげられないのはもったいないですよね。一生懸命さというのは見えるのですが、その一生懸命の中に冷静さは必要です。
私がカープのユニホームを着ていた頃も、当時の勝てなかった原因の中に冷静さが欠けていたのもありました。一生懸命、熱くプレーするのは大事なのですが、プロである以上、それだけではダメです。気持ちが勝ちすぎていて、まだまだ若いチームだと思ってしまわれかねません。そういう部分の余裕がほしいですよね。
たとえば3月2日のDeNA戦。3点ビハインドの3回表の攻撃。1死満塁で宇草孔基がツーシーム系の少し沈んだ球を強引に引っ張ってセカンドゴロで併殺打になったシーンですが、初球から強く振っていくのはいいのですが、あのケースでやってはいけないのはゴロで併殺打になってしまうことでした。
打つ方向や、こういう打球はダメだというのを打席に入る前に準備できていたのかどうか。ただ、きた球に対して強く振っていくのではなく、そういったところまで考えられるようになるといいですよね。
4回表の攻撃でも、1死一、二塁の場面で、サードライナーの際に二塁走者の末包昇大が飛び出して併殺打になりました。ワンヒットでホームインしなければという気持ちが強すぎて、確認せずにスタートを切ったように感じました。
現役時代、私が二塁走者としている時は「まずはライナーバック」「右方向のゴロは自然にスタート」というのを心の中でずっと言い聞かせていました。そういう意識がミスを減らしますからね。心は熱く、頭は冷静に。そういうスタンスで試合に臨んでほしいと思います。