2022年のカープ。昨年まで4番を打っていた鈴木誠也のメジャー挑戦により、4番打者争いに例年以上に注目が集まっている。この企画では、これまでカープ打線の中軸として活躍した『4番打者』を、世代を代表する選手を中心に取り上げる。チームを勝利に導く一打を数多く放ってきた強打者たち。カープの歴史に息づくエピソードとともに紹介していく。

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#1

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#2

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#3

◆広島に愛されたパワーヒッター| B.エルドレッド

 

 脅威のパワーが魅力の助っ人。カープに在籍した外国人選手では、最長となる7シーズンにわたり中心選手として活躍した。来日1年目から4番を任され、2013年には球団初のクライマックスシリーズ進出を決める決勝アーチを放った。2014年には、37本塁打を放ち、球団の外国人選手では1987年のランス以来27年ぶりとなる本塁打王に輝いた。『カントリー』の愛称で親しまれ、ママチャリで球場入りする姿もファンから愛された。引退後はカープの駐米スカウトに就任。

【データ】2012年〜2018年 
577試合 打率.259  496安打 133本塁打 370打点(通算成績)
4番での出場数/267試合

◆ 特別なアーチを放った強打の主砲| 栗原 健太

 

 新井貴浩が阪神に移籍した直後の2008年から4番を任されると、この年、全試合で4番に座り、リーグ3位の打率.332、103打点をマークした。また、旧市民球場ラストイヤーとなったこの年、ラストゲームとなったヤクルト戦で最後のアーチをかけると、翌年のマツダスタジアム初年度には、チーム最初の本塁打を放つなど、記念アーチの印象も深い。2009年には、WBCに大会途中から招集され、世界一に輝くなど、球界を代表する右打者として活躍した。

【データ】2000年〜2016年(カープ在籍)
1026試合 打率.293 1082安打 153本塁打 586打点(通算成績)
4番での出場数/514試合(カープ在籍時)

◆日本の4番に成長した“神ってる男”| 鈴木 誠也

 

 東京五輪でも日本の4番を担った鈴木誠也が、一躍、球界を代表する野手への成長したのは4年目の2016年。交流戦で2試合連続サヨナラ本塁打を放ち、当時の緒方孝市監督が発した『神ってる』の言葉と共に大ブレイクを果たした。2017年からは4番に定着し、リーグ3連覇に貢献。以降もカープの4番として活躍を続け、2021年までに首位打者を2度、ベストナインを6年連続で受賞。また、打率3割、25本塁打以上を6年連続で達成した。今季、メジャー挑戦を決断。

【データ】2013年〜2021年  
902試合 打率.315  937安打 182本塁打 562打点(通算成績)
4番での出場数/514試合