2022年のカープ。昨年まで4番を打っていた鈴木誠也のメジャー挑戦により、4番打者争いに例年以上に注目が集まっている。この企画では、これまでカープ打線の中軸として活躍した『4番打者』を、世代を代表する選手を中心に取り上げる。チームを勝利に導く一打を数多く放ってきた強打者たち。カープの歴史に息づくエピソードとともに紹介していく。

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#1

〜CARP歴代スラッガー列伝〜 受け継がれる4番打者の系譜#2

MVPにも輝いたリーグ3連覇の立役者 | 新井 貴浩

 

 ドラフト6位で入団した当初は無名な存在ながらも、金本同様に、猛練習を耐え抜き、広島を代表する4番打者へと成長した。初めて4番に座った2003年は期待に応えることはできなかったが、2005年に少ないチャンスで結果を出し4番に復帰。この年、43本塁打を放ち初の本塁打王に輝いた。阪神移籍を経て2015年にカープに復帰すると、2016年に打率3割・19本塁打・101打点を記録し、25年ぶりのリーグ優勝に貢献。4番としてMVPに輝く活躍をみせた。

【データ】1999年〜2018年
2383試合 打率.278 2203安打 319本塁打 1303打点(通算成績)
4番での出場数/565試合(カープ在籍時)

◆ ショートの守備でも魅せた“つなぐ4番”| A.シーツ

 

 野村謙二郎の引退以降、レギュラーが定まらなかったショートを担うことを期待されカープに加入。堅実な守備を評価されての入団だったが、広角に打ち分けるシュアな打撃で、4番を任される存在へと成長した。転機となったのは来日1年目の2003年。開幕は2番でスタートするも、着実に結果を残すと、後半戦からは4番に定着。打率.313・25本塁打・75打点をマークし、非凡な打撃センスを披露した。翌年も85打点をあげるなど活躍したが、シーズン終了後、阪神に移籍した。

【データ】2003年〜2004年(カープ在籍)
682試合 打率.289 778安打 95本塁打 374打点(通算成績)
4番での出場数/150試合(カープ在籍時)

◆ 世界新記録を樹立したスラッガー| 金本 知憲

 

 広島の広陵高を卒業後、東北福祉大を経て1991年にドラフト4位で入団。猛練習を重ね、徐々に一軍での出場機会を得ると、1994年に外野の定位置を奪取。前田智徳、緒方孝市とともに最強の外野陣を形成した。2000年には4番を務め、30本塁打・30盗塁・打率.315で史上7人目となるトリプルスリーを達成。2001年には連続無併殺打の日本記録を樹立した。2003年の阪神移籍後には、連続フルイニング出場の世界記録を樹立。ケガに負けずグラウンドに立ち続けた。

【データ】1992年〜2012年(カープ在籍)
2578試合 打率.285 2539安打 476本塁打 1521打点(通算成績)
4番での出場数/425試合(カープ在籍時)