4年ぶりのリーグ優勝に向けて、オープン戦を戦うカープ。OBの笘篠賢治氏に、ここまでのオープン戦を見て感じたことについて聞いた。

年々、打撃で成長を見せている上本崇司(今年の春季キャンプで撮影)

◆菊池を6番に起用することで生まれる可能性

 オープン戦の戦いを見ると、1番には菊池涼介を使うことが多いです。ただ、まだちょっと状態が上がっていないのが心配です。

 そう考えると、大盛穂を1番で使い、2番に菊池を起用するのもいいと思いますね。あるいは、大盛を1番で使わないのであれば、菊池を6番に置いてみるのも面白いかもしれません。

 昨年のヤクルトは、5番オスナ、6番中村悠平、7番サンタナという並びがよく見られました。強打者と強打者の間に、バントを含め、細かい野球ができる選手を置くことで、打線がより機能していたように感じました。バントをさせるのがもったいないという選手を6番に置いていたら、打つことしかできませんからね。

 機動力野球を目指すのであれば、盗塁だけでなく、戦術面でも足を活かした攻撃ができる打順を組まないといけません。そういったところも踏まえて、もう一度見つめ直してみてもらいたいですね。

 そして、競争をテーマにキャンプを過ごしてきただけに、この選手にもスタメンのチャンスを与えてあげたいですよね。3月13日の日本ハム戦でサヨナラ3ランを放った上本崇司です。

 これまでの印象もあり、今年も守備固めや代走要員として考えられているかもしれませんが、打撃の内容は年々良くなっています。例えば、2番・サードなどでスタメン起用しても面白そうです。その場合、前述の6番・菊池がハマると、守備の面でより安定感が出そうです。

 結果を出してアピールしたにも関わらず、途中出場枠となっているのが、少しもったいない気がします。スタメンのチャンスをものにできなかったのであれば納得できるのですが、若手の台頭を待つだけでなく、努力してきた中堅選手にもスポットライトを当ててあげるのも、チームづくりとしては必要だと思いますね。