J SPORTSと広島アスリートマガジンの共同企画「カープ二軍キャンプ通信」。今回はアドゥワ誠投手のzoomインタビューをお届けします。2018年に中継ぎとして53試合に登板し6勝をあげると、2019年には先発としてプロ初完投をマーク。順調にプロの階段を上がっていた右腕だが、2020年に右肘を故障。その年の10月に手術し、以降は長いリハビリ生活を送っている。初めての手術を乗り越え、一軍マウンドを目指すアドゥワ投手の思いに迫ります。

※2022年2月28日にJ SPORTS『カープ“愛”倶楽部』で公開
取材協力/J SPORTS

2019年以来となる一軍マウンドを目指すアドゥワ誠

◆球速を意識するあまり生じた違和感

―2020年に右肘を手術。昨年はブルペンに入られましたが、現在、肘の状態はいかがですか?

「手術した箇所は問題ないのですが、そことは別の場所で肉離れをおこしてしまい、その影響で昨年はほとんど投げることができませんでした。まだキャッチャーを座らせて投げていないので、なんとも言えませんが、6割程度は回復してきているのではないかと思います」

―右肘を痛めた原因は?

「ケガをしてから気づいたのですが、体が固いのもあり、うまく体を使って投げることができていませんでした。力だけで投げていたという無理が積み重なり、故障につながったのだと思います」

―右肘に違和感があったのはいつ頃からですか?

「手術をした2020年だけですね。それまでは違和感や痛みを感じることはありませんでした。球速を上げることを意識して投げ始めてから、徐々に違和感を覚えるようになりました」

―手術以降、長いリハビリに入りましたが、ボールを投げられない期間は、アドゥワ投手にとってどんな時間でしたか?

「回復までの期間が予定よりも長くなってしまったのもあり、苦しかったというのが素直な気持ちです。ただ、ボールを投げられるようになってからは“このままリハビリを続けていけば、また投げられるようになる”と、前向きな気持ちでリハビリに取り組めるようになりました」

◆同期入団の高橋昂也と床田の存在が励みに

―手術、リハビリを通して、野球に対する考え方などで変わった部分はありますか?

「ケガをするまでは投げ方に関して深く考えることはなかったのですが、今は、考える時間が増えました。そして、考えれば考えるほど、難しさを感じています」

―長期間のリハビリとなっています。先の見えない不安とはどう向き合ってきましたか?

「手術をした以上、そういった不安は受け入れるしかないと思っているので、また一軍の舞台で投げられることを信じて、リハビリや自分自身と向き合っています」

―床田寛樹投手も同様に肘の手術を受け、今は一軍で投げています。高橋昂也投手や床田投手の存在も刺激になったのでは?

「そうですね。二人とも同期入団ですし仲も良いので、刺激にも励みにもなっています。二人がケガをしていた時、僕は普通に投げることができていたので、今回、自分が手術やリハビリをすることになり、当時の二人が、どれだけ苦しくて大変だったのかを感じることができました。二人とも、しっかりとリハビリをしたからこそ、今は一軍で投げることができているのだと思っています。それに続きたいですね」

◆J SPORTSのカープ応援サイト『カープ“愛”倶楽部』でインタビュー全文を公開中。

●アドゥワ誠
1998年10月2日生。熊本県出身。2016年ドラフト5位で広島東洋カープに入団。プロ2年目の2018年、開幕一軍入りを果たすと、シーズンを通して一軍で活躍。ロングリリーフもこなす貴重な中継ぎとして53試合に登板し、プロ初勝利、初ホールドをあげた。2019年には先発に転向。プロ初完投勝利をあげるなど14試合に先発した。2020年は二軍で先発として結果を残していたが10月に右肘を手術し、そこから長いリハビリに。2019年以来となる一軍復活に向けて、まずは今季、二軍での実戦復帰が期待される。