カープOBであり、現在はクリケット選手として活躍する木村昇吾氏が、今季のカープの戦いぶりを独自の視点で分析。今回は4月3日までの中日戦までの戦いを振り返ってもらった。

チーム全体で負けない野球を展開できるかが、今後の戦いのカギを握る(今年の春季キャンプを撮影)

◆全ての試合には勝てない。でも・・

 広島アスリートマガジンをご覧のみなさんこんにちは!木村昇吾です!

 今回から、広島東洋カープの話題を中心にコラムを書かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 日本の4番でもある鈴木誠也選手がメジャーへ移籍し、今シーズンの順位予想でも、多くの解説者の方々から最下位に位置付けられたカープ。

 春季キャンプの解説で宮崎と沖縄のキャンプを拝見させていただきましたが、コロナなどの影響で主力の2軍スタートが多く、若手中心と言うこともあり、若い野手陣などで新たな発見はありましたが、少し迫力に欠ける印象が順位予想に反映されてるのかなと思っていましたら・・戦前の予想を大きく覆す開幕6連勝!

 バンテリンドームでの中日3連戦は3連敗を喫してしまいましたが、全て1点差ゲーム。勝つに越したことはないのですが、まだまだチームは発展途上ですし、反省点や改善点を次につなげることで、チーム力を高めていってほしいと思います。

 4月6日からは本拠地に戻り、首位巨人との3連戦。野球はチーム戦なので、1人ではなく全員で戦い、個々が自分の役割を理解し力を発揮していければ、負けない野球が展開出来るはずです。

 あの落合(博満)監督が中日を率いていた頃の強いドラゴンズは、落合監督がやりたい野球を選手が理解し、それを忠実に遂行していました。

 派手さはないのですが、相手側からすると不気味かついやらしい、そして気づいたら負けている。そんな野球でした。クライマックスシリーズをかけて中日と争ってるときに谷繁(元信)さんから聞いたコメントも不気味でした。

『全部は勝てないので。でも全部も負けないので』

 コレを聞いたとき、ゾッとしたのを今でもハッキリと覚えています。

 自分達の野球をちゃんとやれれば、結果はついてくるのだという自信が言葉に表れていました。結局カープはクライマックスシリーズに進出できず中日が勝ち上がっていきました。

 そういう意味でも、選手個々のレベルアップはもちろん、投手を中心とした守りと機動力の野球を展開してほしいと思っています。

 きっと、今年のカープは去年とは違う一面をたくさん見せてくれるはずです。それを信じてやまないクリケッターのコラムを今後ともお楽しみに。

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◆ライター 
木村昇吾(きむら しょうご)
1980年4月16日、大阪府生まれ。尽誠学園高で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなど活躍。2002年ドラフト11位で横浜に入団。2007年オフに広島にトレードで加入すると、一軍に欠かせないユーティリティープレイヤーとして活躍した。2015年オフに西武にテスト生で入団。2017年にクリケットに転身すると、2018年にはクリケット男子日本代表強化選手団に選出された。クリケット界の世界最高峰であるインディアン・プレミアリーグ(IPL)での活躍を目指し、現在も競技を続けている。

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