2021年、11年間所属した新潟から広島へと戦いの地を移した中村楓。なでしこジャパンのメンバーとして世界の大舞台も経験し度重なるケガにも負けず立ち上がる、レジーナ副主将の声を届ける。
※取材は2022年3月下旬。
◆レジーナ〝らしさ〟で勝ち点3を。背中でチームを引っ張る副主将
─経験豊富な中村選手ですが、サッカーを始めたきっかけを教えてください。
「父と兄がサッカーをしていたので、小さい頃から身近にサッカーがあるのが当たり前でした。それもあり、自然と『自分もやりたい』と輪の中に入っていったのがきっかけですね」
─サッカーを始めた頃からDFを?
「高校までは、FWや中盤をプレーすることが多かったです。アルビレックス新潟レディース(以下、新潟L)に加入してからDFを任されるようになりました」
─憧れの選手を教えてください。
「同じ岩手出身の小笠原満男選手です。県全体で小笠原選手を応援していたこともあり、私も自然と応援するようになりました」
─新潟Lへの入団と同時に大学へも進学されました。サッカーと学業の両立では、どんなところが大変でしたか?
「新潟Lには私の他にも大学に通いながらサッカーをしている先輩がいたので、いろいろなアドバイスをしてもらえました。特別苦労した思い出はないのですが、大学のテスト期間中も新潟Lの練習はあるので、そこだけはちょっと大変でしたね(笑)。 大学の友達にテスト範囲を聞きながら、なんとか乗り切っていました」
─大きなケガも経験されていますが、そこから学んだことなどはありますか?
「2014年のケガは、なでしこリーグに入って初めて経験した、手術が必要な大きなケガでした。リハビリも長引いたので、落ち込む期間も長かったです。置いていかれるのではないかという焦りや、チームはうまくいっているのに自分は何もできていないという無力感もありました。2018年、2019年は、病院に行く前から『大きなケガかも知れない』と覚悟ができていたので、診断結果も冷静に受け止めることができました。2014年の経験があったからこそ、『リハビリはこのくらいの期間になるだろうから、そこからまたトレーニングを頑張ろう』という、前向きな気持ちでケガと向き合えましたね」
─副主将として、チームをまとめる上で心掛けていることはありますか?
「主将の近賀ゆかり選手は、言葉でチームをまとめたり、引っ張っていってくれる方です。私はあまり言葉で発信するのが得意なタイプではないので、しっかりプレーする姿を見せることでチームを引っ張っていきたいと思っています」
─オフの過ごし方を教えてください。
「最近は時間が空くと、クロスワードパズルやナンプレをしています。ちょうど良い頭の運動になるんですよ(笑)。 暖かくなってきたので、そろそろ趣味の釣りにも行きたいですね。新潟L時代によく釣っていたのは〝マメアジ〟で、釣れた魚は家で料理して食べていました」
─ファンのみなさんにメッセージを。
「後半戦は勝ち点を積み上げることができていないので、まずは勝利という結果でみなさんの応援に応えたいと思っています。レジーナは始まったばかりのチームですが、それを言い訳にせず、レジーナらしいサッカーを見せていきたいと思っているので、ぜひ会場に足を運んで応援していただけたらと思います」
◆プロフィール
#4 中村 楓
1991年8月3日 岩手県出身/DF/165cm・57kg
常盤木学園高在学中に全日本ユースサッカー選手権大会を連覇。大学進学と同時にアルビレックス新潟レディースに入団。なでしこリーグ第1節からスタメン出場し、2013・2017年には『なでしこジャパン』に選出。2021年、レジーナに完全移籍