5月24日から始まった交流戦。カープはロッテと3連戦を戦い、1勝2敗で終えた。交流戦の勝敗は、ペナントレースの行方を左右するカギとなるといっても過言ではない。ここでは、カープの過去の交流戦の歴史を振り返っていく。今回は、初の貯金に成功した2008年からの3年間を紹介する。

前田健太とダルビッシュが投げ合った2010年6月15日の日本ハム戦(マツダスタジアム)は、赤松のサヨナラ打で終止符が打たれた。

◆2008年・交流戦6位(24試合13勝11敗)

 4年連続で初戦を落としたものの、2008年の交流戦は、記録の面で見るとカープに関する明るいニュースが多かった。

 圧巻だったのがポスト黒田博樹を期待されて入団したルイスの快投だ。期間内だけで5勝をマークし、岩隈久志(楽天)と共に交流戦最多勝投手となり、抑えでは永川勝浩が岩瀬仁紀(中日)と並んで10セーブを記録。こちらも交流戦最多セーブとなった(球団3人目の100セーブにも到達)。

 6月18日の日本ハム戦では、当時プロ2年目の前田健太がプロ初勝利を記録。打者では東出輝裕、栗原健太ら主力が打率で上位にランクインし、阪神へFA移籍した新井貴浩の穴を埋めてみせた。ホームを5割、ビジターは12球団1位の7勝5敗という成績で交流戦を乗り切ったカープが、鬼門の交流戦で初めて貯金の上積みに成功した。

◆2009年・交流戦3位(24試合14勝9敗1分)

 オリックスとの開幕戦で、大竹寛が球団新の31回連続無失点を記録した。その後も好調をキープして最終的に5月31日の楽天戦の6回途中までセ・リーグ歴代6位となる43イニング連続無失点を記録。守護神の永川勝浩が西武戦で球団新の139セーブをマークするなど投手陣の安定感が際立った。

 6月11日のロッテ戦でNPB史上最多の1イニング15失点を喫するなど記録的な大敗(2対23)も見られたが、ホームで勝負強さを発揮して9勝3敗と大きく勝ち越し。トータルで14勝9敗1分、過去最高順位の3位でフィニッシュした。70勝67敗7分でセ・リーグが唯一、勝ち越した交流戦としても知られている。

◆2010年・交流戦10位(24試合10勝12敗2分)

 野村謙二郎新監督で迎えた2010年は開幕直後から厳しい戦いを強いられた。前年10勝の大竹寛、35ホールドのシュルツ、36セーブの永川勝浩が序盤から相次いで離脱。軸となる投手が整わない中、交流戦の開幕を迎えることとなった。

 初戦の楽天戦を落とすと、その後も負の連鎖は続き、5月終了時にはチームの借金が二桁に到達(43年ぶり)。ロッテ戦では栗原健太が死球を受け、右手首骨折による戦線離脱を余儀なくされてしまった。

 最終的に最優秀防御率、沢村賞に輝く前田健太、新加入のスタルツが共に3勝と気を吐いたが、チーム防御率は11位と低迷。主力選手の離脱は確実にチーム力を落とし、最後まで浮上のキッカケをつかむことができなかった。