5月24日から始まった交流戦。カープは6試合を戦い、1勝5敗と苦戦を強いられている。交流戦の勝敗は、ペナントレースの行方を左右するカギとなるといっても過言ではない。ここでは、カープの過去の交流戦の歴史を振り返っていく。今回は、3年ぶり3度目の最下位に終わった2014年から、25年ぶりのリーグを優勝を果たした2016年までの3年間を紹介する。

2016年6月17日のオリックス戦(マツダスタジアム)でサヨナラ本塁打を放ちお立ち台に立つ鈴木誠也。この年の活躍をきっかけに、その名を一気に全国へと広めた。

◆2014年・交流戦12位(24試合9勝15敗)

 前田健太、バリントン、野村祐輔、ルーキーの大瀬良大地らが安定した力を発揮し、開幕ダッシュ(4月を18勝9敗)に成功した14年のカープ。

 快調に白星を積み重ねていたが、05年の導入以降、一度しか勝ち越したことのない交流戦では、やはり苦しい戦いを強いられた。

 開幕からソフトバンク、オリックスに4タテを食らうと、6月3日から14日までまさかの9連敗。5月29日のロッテ戦で勝利してリーグ最速で30勝を飾っていたが、パ・リーグに完全に勢いを止められる形となってしまった。

 立て直しを図ろうと6月5日から15日までの11日間で実に22人の選手入れ替えが行なわれたが、流れを変える起爆剤とはならなかった。交流戦を首位で迎えながら、終了時には2位に転落。交流戦は巨人が二度目の優勝を飾り、カープは3年ぶり3度目の最下位に終わった。

◆2015年・交流戦7位(18試合9勝9敗)

 交流戦の試合数が24から18に削減された2015年。黒田博樹、新井貴浩の復帰もあり、広島は開幕前から異様な盛り上がりを見せていた。

 ところが菊池涼介、丸佳浩らを筆頭に期待されていた打撃陣が機能せず、開幕ダッシュに失敗。交流戦に入ってもチームは波に乗り切れずにいた。

 6月7日の楽天戦では、丸が13年10月3日以来となるスタメン落ちを経験。夏場まではそれほど得点力不足が表面化することはなかったが、5月28日のスコア(10対12でロッテに敗れる)に代表されるように投打のバランスは明らかに狂っていた。

 オリックスに3連勝した直後に日本ハムに3連敗を喫するなど、チーム状態を測りかねる試合も続いた。この年の交流戦は9勝9敗の5割、7位でフィニッシュ。6年ぶりに負け越しは脱したが、不完全燃焼の感は否めなかった。

◆2016年・交流戦3位(18試合11勝6敗1分)

 ロッテ、ソフトバンク、日本ハム、楽天との4カードを終えた時点で借金1。2016年の交流戦も中盤まで厳しい戦いを強いられていた。

 ところが終盤の2カードで、その印象は一変した。第一歩となったのが6月14日の西武戦だ。コリジョンルール適用による初のサヨナラ勝ちで勢いを取り戻すと、そのまま西武を3タテ。そして直後のオリックス戦で、3戦連続での奇跡が起こることになる。

 6月17日に鈴木誠也がサヨナラ本塁打を放ち7年ぶりの交流戦勝ち越しを決めると、翌日も劇的なサヨナラ弾を左中間に叩き込んだ。3戦目も試合を決める決勝弾を放ち、96年の江藤智以来となる3試合連続決勝本塁打を達成。恐怖の6番打者の“神ってる”活躍で、チームはセ・リーグ唯一の勝ち越しを決めた。

 勢いはその後も続き、25年ぶりのリーグ優勝につながった。