交流戦を5勝13敗と、3季連続で最下位に終わったカープ。OBの笘篠賢治氏に、交流戦後半戦を見て感じたことを語ってもらった。
◆状態の良い堂林の中軸起用も面白い
カープの交流戦負け越しが決まってしまいました。やはり楽天戦までチーム本塁打が0という、長打に頼れない戦いをしていると、打線がつながらなくなった途端、点が入らなくなってしまいますよね。6月10日の西武戦でようやく菊池涼介、坂倉将吾にそれぞれ本塁打が出て、結果的にチームも勝利し、より長打の重要性を再認識しました。
得点力不足に悩まされている今、西川龍馬の離脱は痛いですね…。西川の穴をどう埋めていくのかと考えると、状態の良い堂林翔太を中軸に起用してもいいのではないでしょうか。
3番に堂林。もしくは、3番に坂倉で5番に堂林。そして、上本崇司の状態も上がってきているので、2番に起用して、菊池は6番で自由に打たせるのもいいと思います。
そして、敗戦の中、采配面で気になるところが少し増えてきています。
まずは6月8日の楽天戦。10回裏、1死二塁というサヨナラのケースで、外野は思い切った前進守備をしいていました。そのシチュエーションで浅村栄斗と勝負し、結果はセンターオーバーのサヨナラタイムリー。ここは浅村を敬遠して島村宏明との勝負を選び、左の塹江敦哉にスイッチするなどして勝負する場面だったように思います。
また、翌日の6月9日の楽天戦。2点ビハインドの5回表、一死一塁から長野久義のところで堂林が盗塁死になりました。このシーンの盗塁には疑問を感じました。流れを考えると長野に打たせてよかったのではないかと。そして、その後にチャンスで中村奨成に回ってきましたが、ここは代打で會澤翼を使うべきだったと思います。
中村奨は捕手として成長を感じさせくれています。捕球ミスもありますが、球を弾いたときの反応も早いですし、外野手との兼用の中、しっかり努力しているのが伝わってきます。ただ、打撃はまだまだウィークポイントが多く、こういう攻め方されたら打ち取られるというのが交流戦で露呈していました。期待値の高さは分かりますが、もっと手を打つ発想はあったと思います。
もう一つ、6月4日のオリックス戦。逆転された直後の8回裏の攻撃で、無死満塁から菊池に初球セーフティースクイズのサインを出して、見逃しストライク。2球目からヒッティングに変えて、結果的に三振。ヒッティングなら最初からそうして、スクイズなら2ストライクまでは変えずにいるべきだったと思います。選手がサインに踊らされているようにも感じましたし、ベンチのバタバタしている感じも伝わってきました。
リーグ戦再開後は、ヤクルト、阪神と勢いづいているチームと当たるだけに、リーグ戦が再開されるまでの間でしっかりとリセットして、交流戦の流れを引きずらないようにしてもらいたいですね。