今季交流戦では最下位となり、苦戦を強いられたカープ。投手陣に目を向けると、エースの大瀬良大地が一時離脱するなど、苦しい状況が続いた。
ここではOB・大野豊氏にカープ交流戦の投手陣を改めて振り返ってもらった。 (数字は全て取材時、6月16日現在のもの)
◆投打の歯車が噛み合わず、交流戦は今年も苦戦……
交流戦も終わり、レギュラーシーズンが再開しました。今回は、交流戦の投手陣についてお話ししたいと思います。
今年は先発投手がそろった状態で開幕することができ、非常に内容の良い試合が続いていました。ただ、ここへきて先発投手陣にも疲れが見え始め、安定感に欠けてきたような印象があります。
交流戦では、それまで7回、8回まで投げ切っていた投手たちが、5回前後でマウンドを降りてしまうケースも見受けられました。
先発が早く降板するということは、早い段階に失点する展開が増えてきたということでもあります。
先発陣の安定感が欠けてきた一因には、リリーフ陣の不安定さも影響しているのではないでしょうか。当初は中﨑翔太、島内颯太郎の二人がセットアッパーとして期待されていましたが、二人とも二軍での調整となってしまいました。
勝ちゲームを任されることの多い森浦大輔、栗林良吏らは非常に頑張ってくれていますが、そこにつなぐまでのリリーフ陣の不安定さは、昨年から引き続き課題です。キャンプ、オープン戦を通じての課題が解消しきれないまま、ここまできてしまったという印象があります。
今年こそ、という期待もある中でスタートした交流戦でしたが、チームの得点は最下位であり、投手陣も防御率が最下位という結果となっています。
今年の交流戦を振り返ると、完封された試合が5試合、1点しか取れなかった試合が6試合、2点取れた試合が2試合となっています。
3得点以下の試合がこれだけ多くなってしまうと、それだけでも勝利するにはなかなか厳しいものですが、この状況においてさらに投手陣が3点、4点と失点してしまうと、いっそう厳しい戦いになってしまいます。
今年の交流戦に関していえば、投手、野手のどちらも力を出しきれなかったのではないでしょうか。開幕6連勝した頃は、投打の歯車がしっかりと噛み合っていましたが、今は少し歯車がずれてしまっているイメージがあります。
もちろん、選手たちは頑張っていると思いますから、あとはもう少し、なんとか気持ちや魂の込もった試合を見せてほしいですね。