7月1日、広島市内で開催された『サッカー日本代表・森保一監督を激励する会』。アジア最終予選を突破しW杯カタール大会への出場を決めた森保監督を囲み、集まったサッカー関係者、広島政財界から熱いエールが贈られた。

 本大会は、11月21日からカタールで開催され、日本は優勝経験のあるドイツ・スペイン、そして大陸間プレーオフを勝ち上がったコスタリカと同組のグループEが決定している。

 強豪が顔をそろえ、『死のグループ』とも呼ばれたグループEを勝ち抜くために、日本はどう戦うべきか。果たして、史上初となるベスト8以上の結果を持ち帰ることができるのか。ここでは激励会で語られた、森保監督の言葉をお届けする。

W杯カタール大会に向け、意気込みを語った 森保 一 日本代表監督。

◆「広島のエールを胸に、ベスト8以上の結果を持ち帰りたい」

ー広島で激励会を終えられて、今のお気持ちは?

 感謝の気持ちでいっぱいです。広島では、人として、サッカー選手として、指導者として……本当にたくさんの経験をさせていただきました。広島で育ててもらったからこそ、今の自分があると思っています。

 サンフレッチェ広島の前身であるマツダ時代を含めて、本当に長い期間を広島で過ごさせていただきましたし、多くの方の応援を受けて、その応援に応えたいという思いでやってきました。

 こうして日本代表の監督として仕事をさせていただく中でも、広島のみなさんからのエールは常に感じています。それと同様に、日本全国のみなさんが、サッカー日本代表への期待を抱いてくださっていることも感じています。

 日本全国の方々の期待を背負い、サポートしていただいているということを胸に刻んで、世界の舞台で戦いたいと思います。

ー広島という街は、森保監督にとってどのような場所でしょうか?

 人として、選手として育てていただいた街ですね。長崎にいた頃もいろいろな教育をしていただきましたが、広島に来て、今西和男さんの下で「サッカー選手である前に良き社会人であれ」という教育を吸収できたことも大きかったです。

 (サンフレッチェの前身である)マツダのサッカー部に入部して、チームが組織的サッカーをコンセプトとする中、「自分がどういう役割を持って人とつながらなければいけないか」ということも教えてもらいました。まだまだ喋りも上手くならないのですが、人前で話すことも当時から教育していただきました。

 選手としてメディアのみなさんとコミュニケーションを取ることも、指導者として選手とコミュニケーションをとることもそうですが、今西さんが教えてくださったことを基礎にして、成長することができたと思います。代表の選手たちとも、積極的にコミュニケーションを取るように心がけています。

 監督として、選手たちにチームのコンセプトを伝える時にまず初めに伝えているのは、『みんなのチームのために頑張ろう』ということです。チーム一丸となって、組織的に戦うことを大切にしています。

 それと同時に、個を尊重することも忘れてはいけないと思っています。チームの中には、個々の選手の個性があります。それを尊重し、個の成長をサポートしながら、組織として戦っていけるようにしたいということは、常々考えています。1人ひとりが成長するためにも、個の特徴を最大限に活かして戦っていきたいと思っています。

《プロフィール》
森保 一(もりやす・はじめ)

1968年8月23日、長崎県出身
サンフレッチェ広島の前身・マツダ(日本サッカーリーグ)に入団。1993年にJリーグが開幕すると、サンフレッチェ広島の中盤を支える存在としてプレー。現役引退後は強化部コーチを経て2012年監督に就任。広島を三度のJ1優勝へ導いた。2018年から日本代表監督として指揮を執る。