球界で広がるリボン運動

◆球界で広がるリボン運動

 毎年『母の日』にピンクリボンのキャンペーンを行うことが、日本のプロ野球界でも数年前から恒例となりました。これには、メジャーリーグが母の日に乳がん撲滅と啓発を目的としてピンクリボンキャンペーンを長年にわたり行ってきた背景があります。

 メジャーリーグの取り組みはとても派手で、リボンの大きなモチーフがどーんとボールパークに掲げられるほか、選手のバット、グローブ、ユニホーム、アンダーシャツ、審判のマスク、試合で使うベースやボールなど全てがピンク。ファンがピンク色のTシャツを着てスタンドをピンク一色に染めるチームもあります。

 最近は日本でもメジャーリーグに負けないくらいのスケールでこのキャンペーンを行う球団もあり、『母の日=ピンクリボン』のイメージが野球ファンの間で定着しつつあります。このキャンペーンを機に乳がんの検診を受ける女性が多くなれば、“野球のおかげで早期発見できた”という人もきっと増えていくことでしょう。

 このような『リボン運動』はピンクだけではありません。この連載でも何度か紹介しましたが、2019年からソフトバンクの千賀滉大投手が支援しているのが『オレンジリボン運動』。児童虐待防止を推進する活動で、オレンジリボンがそのシンボルとなっています。

 千賀投手はスーツでのイベント出演時や記者会見などでオレンジリボンのバッジをつけたり、グローブにオレンジリボンを刺繡したりして、その啓発を行っています。そして、毎シーズン1奪三振につき1万円をオレンジリボン運動に寄付しています。  

 最近では西武も『オレンジリボン運動デー』を開催し、試合で使ったオレンジのキャップやヘルメットなどでチャリティーオークションを行い、この運動を支援しています。  

 このように、リボンのモチーフを活用した取り組みは、多くの人が目にするプロ野球の試合と非常に相性がいいと思われます。そこで、今回みなさんにぜひ知っていただきたいのが『ゴールドリボン』です。